ついに、頭が空っぽになった

ブレインフォグの状態から抜け出したわけではありません。

頭が何も考えていない状態になったのです。ついに!

小さな会社の経営者として、僕の頭は常に休みなく、いつも何かを考えていなければなりませんでした。

振り返ってみると、副腎疲労になったのも不思議ではありません。 本当にそう思います。

brain thinking

僕とドリーは、毎日、毎週、毎時、そして分刻みで何かの問題に直面し、それに対処し、解決法を考え続けなければなりませんでした。大げさに言っているわけではありません。

本当に自分でも呆れるほど、次から次に問題が起きるし、新しいプログラムを作り続けなければならないし、頭の中は常にフル回転でした。 

頭の中には、いつも検討しなければならない事が詰まっていて、パンパンに張りつめている状態でした。

その頭が、ほぼ100%空っぽになるという、正反対の状態になったのです。

今日、なぜかそのことを急に意識して、思わずドリーに「頭が空っぽになってる」と言いました。

同時にとてもリラックスして、解放された自由な気分になっていることを実感したのです。

約20年に渡ってビジネスを続けているうちに、僕の脳はまるでエンジンのシリンダー1本1本に火をつけて回し続け、火を落としてエンジンを止めることができない状態でした。

毎日、何か新しいことが起こり、僕とドリーはいつも追いかけられるように、問題に対応し、解決し続けなければなりませんでした。いつも問題に振り回され、解決策を考えていました。僕たちは『ミスター&ミセス問題解決』でした。

そんな状態だった僕の頭が空っぽになったのです。そしてもっと重要なことは、幸せな気持ちになったことです。

empty brain

この20年で学んだことの1つは、ビジネス自体はシンプルなのですが、人間があまりにも問題が多く、物事を複雑にしてしまう、ということです。

特に、ここ日本で欧米人を雇って普通に働いてもらうことの難しさは、どんなに頑張っても克服することのできない問題です。

どうしてかって? それは、彼らが大人の外見をした子供だからです。彼らは子供だから、自分で自分の面倒を見ることができないのです。

どうしてできないのかって??それは、彼らがこれまでの人生で、「責任感」とか「道徳」とか「職業倫理」とかをほとんど学んでいないからです。

学校でも家庭でも、そんな教育はなされていないからです。僕自身がそういう文化で育ってきたから、よくわかります。

仕事でなにかミスをしたり、問題が発生しても、それは誰の責任でもない。誰も謝らないし、誰も反省しません。仕事は、人生の中で優先度も重要度も極めて低いのです。そんなお子様達が、オトナの格好をして日本の大企業を相手に仕事をするわけです。想像できますか?

僕の頭は何年も何年も常に「次は何か」と緊張しっぱなしでした。

「明日は?」「来週は?」「来月は?」「来年は?」と、先に先に考えが走っていきました。

当然、そんな状態をいつまでも続けられるわけはなく、とうとう危険ゾーンに入ってしまいました。

脳が休めなくなってしまいました。常に「オン」の状態で、ベッドに入っても「オン」のままで、眠れなくなりました。それが、副腎疲労が始まった時です。

脳の中で、神経伝達物質が交信し続け、目が覚めてしまうのです。

 

3年ほど時間をかけて、ついに頭の中で充満していた「思考」が消えていきました。

脳が緊張して張りつめているという感覚は、ほとんどなくなりました。

ここ数週間、自分が先のことについて、何も考えていない事にふと気づきました。

「いつまでに何をやらなければならない」ということが、まったく頭にないのです。

頭の中は、文字通り現在のことしかありません。お腹がすいたら「何を食べようかな」とか、ちょっと体が重いから「今日のエクササイズは軽めにしておこう」とか、そんなことしか考えていません。

もちろん、いつまでもこんなことではダメだというのもわかっているのですが、今はこんな自分が興味深く、楽しんでいます。

僕が考えていることはたった一つです。体の回復です。

元気になることだけを考えていられるのは、ひとえにドリーのお蔭です。

彼女は僕が他のことを一切忘れて、回復することだけに集中させてくれました。