天然だ!

今のドクターの指示のもと副腎疲労の治療を初めてほぼ4年、100%自信を持って言えることは、自分の体の中に何を入れるか、神経質なまでに気をつけて、すべて把握した上で口にしているという事です。副腎疲労症候群の人なら、そうすべきだと思うのです。

特に重症まで進んでしまうと、体のシステム全体がおかしくなっていて正常に機能しない上、非常にセンシティブでちょっとしたことが体の負担になり、ほんの小さな過ちで下痢に苦しむことになったり、一日中胸やけしたりするような不愉快な事態を招くことになってしまいます。そうでなくてもすでに十分しんどいのに。

かつては食べたい物、飲みたい物を何でもいつでも口にすることができたのに、副腎疲労ステージ3になってからというもの、そんなことをしようものなら大きな代償を払うことになるのです。

という前置きをした上で、つい最近やらかしてしまった失敗談をお話ししましょう。

先日、新型コロナウイルスから身を守るためにビタミンDが良いという事を知り、その方法として一番良いのは日光にあたることなのですが、今はちょうど雨続きで太陽が顔を出さないし、梅雨明けになると今度は暑すぎて外に出て日に当たるのは危険です。それならサプリメントで良いのではと思う方も多いでしょうが、まずは自然に取る方法を優先します。食べ物からビタミンDを取るにはサーモンを食べるのが良いということがわかりました。

salmon

魚は普段の食事でもよく食べますが、絶対に譲れない点は「天然」であること。養殖の魚は食べないようにしています。理由は、魚に与えている餌、抗生物質、養殖場の環境など色々とあり、ドクターからも養殖魚は避けるように言われています。そこでサーモンを買う際にも、養殖ではないことに注意を払っていました。僕は日本語の中でも漢字がほとんど読めないので、ドリーに「天然」という文字を教えてもらい、魚のパックの表示にその文字があれば買うという風にしています。

しかし今はノルウェーやチリから輸入した養殖のサケが主流で、時期的にも天然ものを見つけるのはなかなか難しかったのですが、なんとあったのです。「天然」とシールが貼られて、冷凍のサーモンが2切れ入ったパックを見つけました。僕は早速購入しました。

オリーブオイルでサーモンをソテーし、パラパラとディルを振って朝食で食べ、次の日も残りの一切れを食べました。

salted salmon

気に入った僕は同じ店で同じ天然サーモンを買い続け、1週間毎日サーモンを食べ続けました。4日目の事です。久しぶりに少し緩い便になり、あれっ?と思ったのですが、5日目また同じように便が緩く、そして7日目にはちょっと緩すぎるかな・・・と思い、何が原因なのかを考えなければなりませんでした。

毎日の体調の記録を続けていますが、そのノートには食事の内容、運動、体調などを細かく書いています。何かあった時にすぐに原因が突き止められるようにするためです。眠れなかった日、いつもより頭がボーっとした日、ヨガを最後までやるのがきつかった日など、ちょっとした不調があった時、すぐに見るのはその前に何を食べたか、そしてサプリメントの増減があったかどうかなどです。

なかなか原因が見つけられなかったのですが、ふとドリーが僕に聞きました。「サーモンを焼いた時に、塩をかけた?」答えはノーですが、なぜそんなことを聞くのかと聞くと、「サーモンにはすでに塩が加えられているから、その上にさらに塩をかけると強すぎるから」と言ったのです。Aha! それだ!僕が普通のサーモンと思っていたのは、塩鮭だったわけです。

名誉のために言いますが、さすがに僕も塩鮭のしょっぱさは知っていたつもりです。今回買ったサーモンは、僕の記憶の中にあったあのしょっぱさは感じませんでした。だから塩鮭とは思わなかったのです。パックには恐らく「定塩鮭」とか「甘口塩鮭」とか書かれていたはずだとドリーは言いますが、そんなの読めませんって。

原因は分かりました。塩鮭を毎日続けて7日間も食べてしまい、お腹が緩くなってしまったのでした。サーモンをストップした次の日から、嘘のようにピタリと便も正常に戻りました。

健康な人なら、この程度のことは大した問題ではないかもしれません。でも副腎疲労に苦しめられて、もう4年も闘っている僕にとっては、ちょっとした体調の変化、ほんの少しの不調、後戻りはもう絶対に嫌なのです。こういう事があると、ものすごく不安になってしまうのです。

だからこそ、何を食べるか、何を食べないかに非常に気を遣っているわけです。回復を妨げるような食べ物は一切口にしたくありません。ちょっと神経質になり過ぎて、ドリーが時々呆れているのも知っていますが、僕は自分の体の回復に全責任を負っているのです。

食べたいものも全然食べずに、そんなに神経質にやっていたら、それ自体がまたストレスになる、と言う人もいますが、いやいや・・・患者の立場から言えば、食べたいものを我慢するストレスなんて、体の不調が続くストレスに比べれば何てことありません。