シャンプーも歯磨きも疲れる

副腎疲労がかなり進んでいた頃、日ごとに倦怠感、脱力感が増してきて、自分の身の回りのことや、日常生活を送る上でごく当たり前のことをするのがやっと、という感じになっていました。

朝、歯磨きをしていて、10回ほど歯ブラシを上下に動かしたら、腕がものすごくだるくなって、続けられなくなったんです。えっ?自分で自分を疑いました。歯ブラシを持っていない方の手を、洗面台について体を支え、歯磨きも前が終わったら休憩、奥歯を磨いてまた休憩、というありさまでした。

sink

おまけに、ある日、正面の鏡に飛び散った水滴を拭き取ろうと、ティッシュで鏡を2~3回拭いたところで、そこで手が止まってしまいました。もうすごく疲れてしまったのです。巨大な鏡じゃないですよ。幅50~60センチ程度のよくある洗面台の鏡です。

brushingteeth

それから、髪を洗う事。腕を頭の高さに上げる、というこんな日常的なことが、本当にしんどくなってしまったのです。シャンプーをつけ、手を前後に5~6回動かしたら、そこで休憩をとらないと続けられませんでした。

本当に何度も言って申し訳ないのですが、僕はウエイトリフティングを30年続けていた男です。ひ弱な奴ではありません。100Kgのウエイトを頭の上に数回平気で上げていたんです。それが、ただシャンプーするために腕を上げていることが、数秒も続けていられなくなっていました。副腎が弱ってしまうということが、いかに全身を衰弱させ、力を消耗してしまうか、わかってもらえると思います。

shower

今は、シャンプーできるようになりましたが、それでも元気だった頃のように、ガシガシと力を入れて連続で頭をこするようなことは、まだできません。

腕がどうしようもなく重く感じるもう一つのわかりやすい例は、自分の頭が痒くても掻く力が出ない、ということです。ちょっと頭が痒いな、と思って、手を頭に持って行こうとすると、重くて上げるのが一苦労なんです。頭が痒くなって一度掻くと、なぜかすぐまた痒くなりませんか?2回目に頭を掻くには、ちょっと休憩をとらないとできなかったんです。もう僕はこんな状態にうんざりでした。

言うまでもなく、電球を取り換えることもできなくなったし、壁掛け時計の電池が切れて交換するために時計を外そうとしましたが、それもできませんでした。

信じられないでしょう。僕だって信じられませんでした。人間が、ここまで弱くなれるものなのか、と驚愕しました。ドリーはもはや、僕になにも頼まなくなりました。