副腎疲労人が見分けられるようになってきた

3年程前に、僕の会社の求人募集に応募してきた日本人女性がいました。結果から言うと、その人は、募集していたポストでは採用にはならなかったのですが、バイリンガルで英語の指導経験も豊富なので、なにか彼女に合う他の業務があったらまた連絡する、ということにしていました。

そしてその機会が訪れました。ちょうど彼女にやって欲しい英語プログラムがあり、彼女の都合ともうまく合ったので、やってもらう事にしました。

僕と一緒に地方に出張してもらうことになり、東京駅から新幹線に乗り、車内でいろいろな話をしました。すると、こんな話を始めたのです。

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彼女は英語講師としてある会社で働いていた時に、担当するクラスの数、その準備にかかる時間で、休む間もなく、ものすごく忙しかっただけでなく、会社が彼女に求める質に応えようと自分に鞭を打ってがんばっていたこと。

また彼女の話によると、会社からの待遇(お金だけでなく)や上司の態度がひどかったこと、そして彼女本来の完璧主義的な性格などで、そうとう消耗して、こんな仕事の仕方をいつまでも続けられないと思い、僕の会社に応募してきたそうです。

パニック障害を起こすことが多くなり、夜は眠れず、めまいや過呼吸のようになり、ある時、授業と授業の間の10分の休憩時間にトイレに駆け込み、そこで倒れ込んでしまい、まったく動けなくなったそうです。最後の最後で何とか立ち上がることができて、次のクラスも何とかやり終えることができたそうです。

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新幹線の車内で話す彼女の様子は、精神的にもうギリギリのところに来ている感じだったし、しかも変に張りつめてテンションが上がってしまって、早口でまくしたてるように話していました。

僕は、内心、この人ちゃんと仕事をやってくれるかな・・・とちょっと心配になっていました。

僕の心配とは裏腹に、彼女はちゃんと仕事をやってくれて僕は満足だったのですが、クラスがはじまる前や休憩中に、彼女はスマホでなにか癒しのビデオだか瞑想の音楽か何かを聞いて、リラックスするようなことをしていたし、ストレスに潰されないように自分なりに工夫しているんだなと思ったのです。

ちょうどその頃、僕自身が、彼女が話した事とまったく同じような状況で、パニック障害や睡眠障害、呼吸や心臓が苦しくなったり、足や関節がおかしくなり、疲労感と毎日闘っていた時だったのですが、副腎疲労という病気のことも知らなかったし、まだ診断も受けていない時でした。

自分と同じような症状だな、ストレスが多いんだろうな、などと思いながらも、僕は自分の体調のことと、自分の仕事をなんとかやり遂げることで精一杯でした。

今の僕なら、この女性も副腎疲労の可能性が高い、と考えることができます。

あの時は、何もできませんでしたが、今なら彼女の話を聞いて、仕事への向き合い方や生活、食事などについて何らかの助言ができるし、副腎疲労の可能性やその検査について教えてあげたいと思います。

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日本には副腎疲労の人が何十万人もいると思っています。 副腎疲労と知らずに、疲労感や鬱っぽい症状、体のあちこちの不調変調に苦しんでいる人が大勢いると思います。

副腎疲労が早く認知され、医学界や社会が真剣に考えるべき大きな病気だと僕は思います。

日本で大きな問題となっている「過労死」も、僕は副腎疲労と知らないまま、体に鞭うって頑張り続け、とうとう体の機能が停止してしまったのかもしれない、と思ったりもするのですが・・・そう考えるのはおかしいでしょうか?

とにかく、彼女との仕事はうまくいって、また一緒に東京まで戻り、その後、仕事を頼むことはもうありませんでした。

「あー、あの人、副腎疲労の検査をうけてみたほうがいいな」と思う事が時々あります。今、身近なところで3人はいます。だんだんピンと来るようになってきました。