「もぐらたたき」のようなサプリメント

このブログやツイッターを読んで下さっている方から、最近質問やメッセージを頂くことが増えてきました。ありがとうございます。

中でもサプリメントに関する質問が多いのですが、どんなサプリメントを、どのくらいの量、どのタイミングで、どのくらいの期間飲み、いつ増やすか、いつ減らすか、など、サプリメントについては単に「これが良いです」と答えられるようなシンプルな話ではなく、非常に多くの面から考えなければならないので、なかなか質問にお答えできず、誠に申し訳なく思います。

そこできょうは、僕自身のサプリメントホッピングについて話したいと思います。

pills

数年前、とにかく体調がどんどんおかしくなって、日本でありとあらゆる病院で検査をしても異常は見つからず、もう一体どうすれば良いのか!という思いでハワイに行き、そこでようやく副腎疲労症候群という診断がついたのです。2016年の春でした。そこからサプリメントを渡り歩く旅が始まりました。

アメリカには、健康食品やサプリメントの店がたくさんあって、店員さんもとても勉強している人が多く専門家のように幅広い知識を持って、色々と説明してくれます。ハワイの医師に言われたサプリ、インターネットでリサーチしたサプリ、ユーチューブで色々な医療関係者が話しているサプリ、サプリ店の店員さんに勧められたサプリ、とにかくホノルル市内のほとんどのサプリメントショップに毎日のように出かけ、副腎疲労に良いと思ったものは片っ端から買って試していました。

しかし、副腎疲労症候群とは、そういう方法でアプローチするような病気ではないのです。

なんか体調悪いから、このサプリメント…。

この薬を飲めば、明日には良くなる…。

しかし副腎疲労はそういう事ではなかったのです。そのことを悟るまで、僕は何かにとりつかれたように次から次へとサプリメントを試していました。

副腎疲労の重症に至ってしまった体に、すぐ効く特効薬はないのです。そんな風に治るものではなかったのです。

正直に言うと、これほど時間とお金のかかるやっかいな病気だということを、今でも完全に受け入れることはできていません。

副腎疲労は、脳から足の先まで、そして体の中もありとあらゆるシステムが完全にいかれてしまいます。これを良くするためにこのサプリ、この部分にはこのサプリ、また別の症状が出てきたらこのサプリ、と言う風に、まるでもぐらたたきのように、サプリメントを永遠に追い求めてしまうことになるのです。

本当に気の済むまで、お金が許す限りサプリメントのもぐらたたきをやり続けることはできます。副腎疲労が始まったばかりであれば、うまく合えば回復できるかもしれません。でももう何年も副腎疲労を抱えていて、重度に至ってしまった場合は、残念ながらそういうやり方では回復には至らないと思います。永遠にもぐらたたきを続けることになってしまうだけです。

whacking

副腎疲労のサプリメントとして良く知られているようなサプリメントを飲む場合でも、ボトルに書かれている用量や用法ではダメなことがよくあります。

僕のケースも、ボトルに書かれている用量の半分とか、それ以下の量を飲むようにドクターから言われることがほとんどです。こんな少量で本当に意味があるのか?と思ってしまうような微量から始めなければならないのです。

そんな量ではじめたサプリメントを、いつ、どのくらい増やすか、いつまで続けるか、いつ減らすか、いつストップするか、など、自分ではまったく見当もつかないのです。そんなこと自分で判断できるわけがありません。

だから、どのサプリメントが良いか、という質問を頂いても、「これが良いですよ」と安易には答えられません。僕に言えることは、自分自身の経験だけです。

ドクターとともに3年以上歩んできた治療について、ありのままにお伝えする事だけです。その話が、もし誰かの役に立ち、僕と同じように体調が改善してきた、ということに繋がれば本当に嬉しいです。