副腎疲労重症になると、一度クラッシュに見舞われると、生活の大部分をそれに占領されてしまい、何もできなくなってしまいます。
副腎疲労のクラッシュを経験したことがある人なら、そのしんどさと、何でこんなことに・・・と精神的な落ち込みが分かると思いますが、クラッシュの経験のない人にとっては、一体どういう状態なのだろう?と疑問に思っているのではないでしょうか?
そこで、きょうは僕自身に起きたクラッシュと、ドクターから学んだことについて書きたいと思います。
ドクターの説明では、副腎疲労になりかけの頃や初期段階(ステージ1~2)では、クラッシュが起きるのは数年に一度くらいと、非常に稀なことです。しかもクラッシュに見舞われても、すぐ体を休めてぐっすり眠り、仕事を1日休む程度で回復するものです。
そして副腎疲労が進み、重症(ステージ3~4)になると、数日に一度くらいの頻度でクラッシュしてしまいます。次から次へとクラッシュを繰り返すような状態です。こうなってしまうと、元の元気な体に戻る機会を完全に失ってしまいます。
副腎を労る措置をとらずにいると、体はとにかくクラッシュとの闘いに専念しなければならなくなり、次から次へと発せられるクラッシュの警告を受けながら、とにかく緊急事態に対処するだけで精一杯になってしまいます。
絶え間なく鳴る緊急警報に対処し続けるという事は、エネルギーを消耗し、補給する間もなくまた次の緊急事態にエネルギーを放出し、その結果、慢性的な身体の疲弊状態に陥ってしまうのです。
副腎疲労のステージ3C~3D、そしてそれ以上の重篤な場合になると、この慢性的な疲弊状態を「生きる地獄」または「ウオーキングデッド」とドクターは呼び、もう何もできずただ横たわっているだけの状態になってしまうのです。でも!見た目は普通なのです。重病患者のようにやせ細って、弱り切った感じには全く見えないのです。しかしその人の内部は、もう何も機能していないのです。現在の医学では、この状態が理解されていないのです。
僕はそんな状態に4年も置かれていました。副腎疲労症候群とわかるまでは、なにか未知の不治の病気にかかっていて、死に向かっているのではないか、と本気で思った程でした。
でもドリーはいつも言っていました。見た目はまったく普通で、何の異常もなかったと。あの頃の写真を自分で見てみても、まったく普通の顔をした自分がいます。あんなにしんどかったのに、全然そうは見えないのです。もう手も足も動かせない程疲れ切っていて、ただ息をしているだけの状態でした。あの頃の状態をどんな言葉で説明すれば良いのか今でも分かりません。
体調が回復してきて、気持ちも落ち着き、頭もいくらかクリアになって来た今、どんな時にクラッシュし、またいかに簡単なことでクラッシュしたかを思い出して、書き出してみます。
- 朝、目が覚めて布団の中で、伸びをした時
- トイレで大をしようと踏ん張って力んだ時
- 洗面所の鏡を拭いた時
- ソファに深く座っていて立ち上がった時
- 食事を食べ過ぎた時
- ヨガやストレッチをした時
- 音楽のボリュームが大きすぎた時
- 人で混雑しているショッピングモールを歩いた時
- アクションや悲惨な場面の多いテレビを見た時
- ちょっと重いものを持ち上げた時
- シャワーで髪を洗った時
- 真夏にほんの2~3分炎天下の外に出た時
- 混んだ電車に乗った時
- 母や妹としゃべった時
- 駅までの数分を歩いた時
- 着替えをした時
- ズボンを引き上げた時
- 10回腕立て伏せをした時
- PC2時間以上仕事をした時
- 椅子に座ったり、立ち上がったりを数回繰り返した時
…その他多数あります。
僕は経験ありませんが、ドクターの患者さんの中には、強い風が吹いた時や、冷蔵庫を開けて冷気にあたっただけでクラッシュしてしまった人もいたそうです。
副腎疲労ステージ3C~3Dになると、クラッシュを起こすことは体にとってものすごく打撃になるので、そうならないように気をつけて生活しなければならないのだけど、自分でどんな時にどんなことがきっかけでクラッシュするか、読めないのです。
一旦クラッシュを起こしてしまうと、体力やエネルギーの半分をいきなりガクッと失ってしまうような感じになります。血糖値が急降下してフラフラしたり、震えが来たりします。気分もピリピリしてすぐにイラついてしまいます。激しい疲労感でほとんど何もできません。完全に消耗してしまい、家事など何もできません。
イライラしたかと思えば、今度は落ち込んでしまい、気持ちが弱くなりすぎて腹を立てることもできません。こういう時には、サプリメントや食べ物にも気をつけなければ、刺激の強すぎるものは体調を悪化させてしまいます。
自分の身の回りのことすらできず、当然仕事に行くこともできなくなります。テレビの音も刺激になり、耐えられません。一度ベッドで横になったら、もう起き上がるエネルギーも無く、トイレと食べる時意外はずっと寝ている状態になります。
悪夢でした。
本当に恐ろしい日々でした。
4年以上かけてようやく僕は異化状態を抜け出し、クラッシュすることがなくなりました。新しいサプリメントを始める時や、量を増やす時は今でもちょっとドキドキしますが、それでも自分でコントロールできるようになって来ました。
そんな僕ですが、これでもまだ副腎疲労のステージ3から抜け出してはいないのです。ドクターに聞くたびにそう言われてがっかりするのですが、まだまだなのです。
副腎疲労の皆さん、クラッシュは絶対に避けたいものです。ちょっとしたことで、自分ではこんなこと大したことない…と思うような事でも、クラッシュを引き起こしてしまうことがあるのです。慎重に、慎重に。