副腎疲労と神経伝達物質の話(上)

副腎疲労が引き起こす様々な影響について、このブログで話してきましたが、ふと考えるとあるテーマについてはほとんど取り上げてきませんでした。神経伝達物質についてです。

健康で普通の生活を送っている時には、神経伝達物質がどう体内で働いているかなんて考える事すらしませんよね。

でも、副腎疲労になると、そしてそれが悪化すると、神経伝達物質によって生活がめちゃくちゃになってしまうこともあるのです。それほど神経伝達物質は体のバランスと安定性を保つために非常に大きな役割を果たしているのだとドクターは言います。

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神経伝達物質は、脳内の神経細胞から他の神経細胞に情報を伝える物質です。いわばメッセンジャーです。

メッセンジャーの役割は広く、感情や気分、記憶、集中力、消化、循環、心拍、血圧、筋肉など様々な機能をコントロールします。

メッセンジャーがちゃんと働いて初めて、脳の情報伝達がうまくいき、身体的な機能や精神的な機能が正常に動くのですが、メッセンジャーに異常が起こると、情報が滞ってしまい様々な不具合が発生します。

メッセンジャーが異常を起こすのはどんな時かと言うと、ストレスです。長期間ストレスをさらされ続けると、神経伝達物質が枯渇してしまうのです。ストレスによって起こる副腎疲労でコルチゾールが枯渇し、他の様々なホルモンがバランスを崩してしまうのと同じように、神経伝達物質の枯渇やアンバランスも起きてしまうのです。

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ドクターが言うには、神経伝達物質には2つのタイプがあります。抑制作用と興奮作用です。抑制作用のある神経伝達物質はセロトニンやギャバで、脳を刺激せず、落ち着かせ気分のバランスを取ってくれます。

興奮作用のある伝達物質は、脳を刺激し、血圧、心拍数、集中力、意思決定などに影響を与えます。

人間の体は、どちらのタイプの神経伝達物質も必要ですが、それぞれがバランスを保っていれば良いのですが、一旦バランスを崩し、バラバラの働きをしてしまうとどうなってしまうか、想像してみて下さい。もうめちゃくちゃです。カオスです。実は6年もの間、僕はそんなカオス状態だったわけです。

長い間、自分が感じていることがよく分からない・・・というか、どうしてこんな風に感じるのかが分かりませんでした。自分の体が自分のものでないような、自分の思ったように動いていないような、完全にコントロールが壊れているようでした。飛行機のパイロットなのに、自分が握っている操縦桿がまったく機能していないようなものでした。パイロットである自分は、ちゃんと操縦桿を握って思った通りに操縦している、できないはずがないと思っているのに、実はまったく操縦できていない、そんな恐ろしい状況でした。

歩くことにも苦労していた時期もありました。自分で自分の体がコントロールできないことに恐怖を覚える瞬間もありました。以前のブログ記事で書いたことがありますが、電流が走ってショートしているような、ビリビリしたおかしな感じが体中に響き渡るような、しびれるような感じです。そんな変な感じが何年もの間、毎日続いていたのです。いまでははるかに少なくなりましたが、完全になくなったとはまだ言えない状況です。

当時は、このビリビリが毎日のように続く状況を何とかしたいと思ったし、歩くことすらおぼつかない足を何とかしたいと思いましたが、今言えることは、自分の体に何が起こっているか、起こっていたかについて、当時よりはるかに理解ができていることです。

僕が経験してきた体のあちこちに起きていた不具合は、複数のシステムが正常に働いていなかったためで、その一つが神経伝達物質の不均衡でした。そのため、色々な症状がカスケードのように、次々に連鎖して数珠つなぎのように現れるのです。一つ一つの不具合は現れる場所も違うし、症状も異なりますので、バラバラの不調のように見えるのですが、すべては一つの源から生じているカスケードです。

この病気の治療に失敗してしまう人が多いのは、まさにここなのです。ドクターが言うことは、患者は回復しようと一生懸命努力しているのに失敗してしまう、その理由はあらゆる症状の源である副腎を治さないからということです。

患者はどうしても一つ一つの症状に焦点を当ててしまいます。その気持ちは良く分かります。毎日毎日不調とともに過ごしていると、どうしても今すぐにこの不調を取り除きたい、と思うのです。でもこの病気は他の病気とは性格が異なります。一旦副腎が癒されて元気になれば、体はバランスと調和を取り戻すのです。

一つ一つの症状を見るのではなく、全体像を見ることが、遠回りのようで実は回復への近道なのです。