1年4カ月ぶりにがっつり仕事をした日

今年度から仕事に復帰すると決め、ドクターにも週に2~3日、前後にしっかり休養をとる、ということでゴーサインをもらい、本当に少しずつですが、以前やっていたようなセミナーやトレーニングの講師を再開しました。

ただ、誠に申し訳ない事ではありますが、かなり選んでやらせてもらっているのも事実です。

先日、2日連続のセミナー講師を務めました。しかも地方での開催のため、ビジネスホテルでの宿泊となります。

ギリギリまで、やるべきかどうか、ちゃんとやれるかどうか悩みました。

1日フルで仕事をする場合は、前日と翌日を完全休養にする、というルールですが、2日連続の仕事なら、前後2日ずつ休養をとる必要があります。

精神的には準備OKで、やりたいという気持ちです。前回、きちんと仕事をした日からすでに1年と4カ月がたっていました。

1年以上もまともに仕事をしてなかったし、できる自信が持てなかった僕が、「やりたい、やれそうだ」という気持ちになったことだけでも大きな前進です。

しかし、身体的に2日間、しっかり最後までやりきれるかどうか、心配は最後の最後まで続きました。

1年4カ月前に5日連続の仕事を終えた後、ものすごい疲労が何日も抜けず、それまでの努力がすべて水の泡になってしまうほどの後退をしてしまい、体調が押し戻されてしまいました。

またそうなるのではないかという恐怖感もありました。

しかし、やると決めました。万一何かあった時のために、アシスタントに同行してもらい、バックアップ体制も整えました。

仕事そのものは、僕にとって難しいものではありませんでした。何度もやったことのあるプログラムをカスタマイズしたもので、内容も進め方も頭に入っていました。

問題は7時間研修が2日間続くことです。皆さんも学校の先生を思い出して欲しいのですが、先生という仕事はずっと立っている仕事なのです。

teaching

座ってはダメという規則はありませんが、座ってしまうと教えにくいんです。

立って、大きな声で話しながら、生徒の間を歩き回って、ホワイトボードやスライドを使って講義して、そうしないとなんだか気が入らないのです。

 

さて、宿泊を伴う場合にちょっと不都合なことがあります。それは、毎日飲むサプリメントと食事面です。

2泊3日分のサプリメントの準備から。錠剤やカプセルだけなら、何の苦労もありません。ただ、それを持って行けば良いだけの話なのですが、僕の場合、液体のサプリや粉状のものが結構あり、しかもその量を毎回細かく量る必要があります。スポイトで何滴とか、小さじの四分の一とか、とにかく細かいんです。

液体のサプリは冷蔵保存が必要で、ボトルごとスーツケースに入れて持って行けば良い、と言う訳にも行きません。そこで、ドリーは100均で、お弁当用のソースケースや醤油さしをいろんなサイズで買ってきました。

出発する前の日に、1回分のサプリを2泊3日分すべて量って小分けにケースに入れ、ラベルを貼ります。

supplement

毎日食べなければならない軽食も前もって準備しておきます。ナッツ類、チキン、さつまいも、アーモンドバターなど、いつも食べている物を、仕事先でも短い休憩時間にサクッと食べられるように、すべて一口大にしてラップに包んだり、容器に入れておきます。

食事も、ホテルの食堂や出先で購入できないものについては、できる限り持って行きます。

おかずは何とかなるものの、一番苦労するのが主食となるもの。普通のパンや白いご飯は食べないので、普段はグルテンフリーのパンか玄米なのですが、これらはコンビニやスーパーでは売っていません。それで家から持って行きます。

サプリメント、軽食などと一緒にすべてクーラーボックスに入れ、ビジネスホテルの冷蔵庫でしっかり持つように、保冷材を沢山入れておきます。

毎日飲んでいるコールドプレスジュースとボーンブロスは、2日間ストップするしかありません。

朝早く出て間に合う場所であっても、僕は必ず前日の夜から宿泊するようにしています。

夜ちゃんと睡眠をとるためと、仕事当日に新幹線などで遠距離移動をするとそれだけで疲れてしまうからです。

この日も、前日の午後に自宅を出て、新幹線で2時間ほどの地方の都市に向かいました。

いつも通り5時頃には夕食をとり、9時頃にはベッドに入るよう、ホテルにチェックインする時間を計算して出かけます。

いつも通り、9時頃にベッドに入りましたが、やはり枕が変わるだけでぐっすりとは眠れないものです。マットレスがちょっと硬いな、とか、シーツがちょっとごわごわするな、とかそんなことで、いつも通りには眠れなくなってしまいます。

部屋の壁も薄めで、廊下の話し声が聞こえたり、隣のテレビの音が薄っすら壁を通して響いて気になります。

いつもより1~2時間少なめの睡眠でしたが、それでもかつての睡眠障害から考えればずっとよく眠れた方です。

セミナー会場に到着し、控室に入って、開始まで20分ほどの待ち時間でやることは軽食を食べる事。ナッツをいくつか、鶏の胸肉一切れ、サツマイモ一切れ食べて、ランチタイムまでの燃料はもつでしょう。ペットボトルの水を4本持って会場に入ります。どんな状況でも水分補給、一日6リットルは絶対です。

大勢の前で久しぶりに話し始めてすぐに胸のあたりが重苦しい感じに気づきました。お腹と喉のちょうど中間あたりです。

久しぶりに人前で話して、あまり使っていなかった筋肉や器官が目を覚ましたような感じで、変な感覚でした。

参加者はとても積極的で、僕は変な緊張感もなくおちついてセミナーを進めました。会場内をゆっくり歩いて、参加者の様子を見ながら、僕は久しぶりに教える楽しさを味わっていました。

自律神経系はまだまだ安定せず、体の恒常性が保てていないのか、セミナー中もずっと体内の落ち着かない変な感じがありました。が、これは自分にしかわからない感じで、参加者は誰一人気づいていないでしょう。

午前の3時間を終えると、主催者の人が控室に昼食を用意してくれていました。とても美味しそうなお弁当でした。

しかし、食べられるものがほとんどありません。白いご飯に、とんかつやエビフライなどの揚げ物、タレがたっぷりかかったつくねや、魚の照り焼きなど、残念ながらどれも食べることができません。

僕は持ってきた玄米のおにぎりに、お弁当の中からほんの少しだけ見つかった食べられるもの、野菜のいためものやキノコの煮物などをつまみ、あとはアシスタントに頼んで、2つのお弁当を食べてもらいました。

午後も無事すべてのプログラムを終え、何とも言えない達成感に浸っていました。あと一日、この調子でやれれば僕にとっては大きな前進です。

しかし、この日一番の難所は、トイレでした。セミナーをやっているフロアーにトイレがなく、1階下のトイレまで廊下を歩き階段を下りていかなけれなりませんでした。

ご存じの通り、僕は普段から一日に6~7リットルの水を飲んでいます。脱水にならないためでもあるし、肝臓を綺麗にするためでもあります。

この日は暑かったのもありますし、ずっとしゃべっているので口が乾燥し、体内の水分もどんどん蒸発していくので、いつもより多めの9リットル飲んでいました。

当然トイレに行く回数も増え、1時間に1回、多いと2回行くこともあったのですが、その度に階段の上り降りをしなければならず、一日が終わるころには完全に脚にきてしまいました。

ホテルに戻り、コンビニで買った軽めの夕飯を食べ、8時にはベッドに入っていました。8時間ぐっすり眠り、朝の4時に目が覚め、さすがに早すぎたので5時頃までベッドで横になっていました。

2日目も、ハイテンションになることもなく落ち着いた気持ちで7時間、しっかり務めることができました。

2日間のフルスケジュールを終えた体はやはり疲れていました。翌日は予定通りまったく何もせず、体を休め、心を癒す一日にしました。

買い物に行く気もまったく起きず、ただただ好きなテレビを見て、インターネットで調べ物をしたり、グダグダと過ごし、その翌日もいつもの運動の半分に抑えた軽いウオーキングだけをして、のんびり過ごしました。

1年4カ月ぶりに、そこそこ大きな仕事をこなすことができて、何とも言えない満足感でした。

もう何もできないのではないかと不安のどん底にいた自分が、こうして少し建設的な仕事ができ、人の役に立つことができたと思うと、それはいい気分でした。