カタボリック:異化が招く悲劇 上

重症の副腎疲労を抱えている人にとって、本当に耐え難い症状の1つは「カタボリック:異化」です。

僕は、長い間「異化」状態の中でもがき苦しみました。 

ドクターは、「異化状態は、体が生き残ろうと最後のあがきをしている」のだと言いました。

自分の体を維持するためのエネルギーを生み出す方法として、筋肉を分解していくのです。

使えるエネルギーがほとんど残っていないので、自分自身の体を食べて生き延びているようなものです。

no energy

副腎疲労の人が一旦異化状態に入ってしまうと、なかなか戻れません。栄養が不足し、エネルギーが枯渇しているため、いつまでも自分の体を食べ続けてエネルギーを生み出そうとするのです。それが生存するために必要なものだからです。

しかし、それはまさに自分の体がどんどん崩壊して、言う事を聞かなくなるという恐ろしいもので、僕も恐怖感と絶望に襲われました。 

異化状態になる兆候として、次のようなものがあります。このような兆候が見られたら、自分に対する警告が発せられたと受け止め、すぐさま休養をとらなければなりません。

・筋肉が落ちる

・筋肉がたるむ

・ひどい便秘(浣腸を使わなければならないほどの)

・お腹の張り、膨満感

・ちょっとした打身ですぐに内出血する

・息切れ

・心臓の動悸

・関節痛

・化学物質過敏症

・食物不耐性と過敏症

・激しい疲労

・めまい

・ブレインフォグ

・強い不安感

・パニック発作

・尿が勢いよく出ない

ドクターが異化について説明してくれた時、自分が異化状態なのかどうかを尋ねました。

その時の返答は「厳密に医学的に言うとノー、だけど、臨床的な症状が現れていない潜在的異化状態だ」という変なものでした。

ドクターが言うには、副腎疲労の重症になると、ほとんどの人が「潜在的異化状態」になっていて、そのままにしておくと非常に危ない結果をもたらします。

「異化」または「潜在的異化状態」にあるということは、体をなんとか保とうとして、できる限りのことをしようとしているわけです。

生存するためには最低限のエネルギーが必要です。それを確保しようと必死になっているわけです。

そのため、異化状態になると、細胞の酸化(わかりやすく言うと老化)が起こり傷つきやすくなり、全身に様々な炎症が起きます。

テストステロンや成長ホルモンなどの低レベルの同化ホルモンを出し、異化の開始時にコルチゾールも高くなりますが、その後低くなります。

「異化」または「潜在的異化状態」になると、多くの症状が起こります。

体は基本的に、自分自身を食べながら生き残っている状態なので、様々な影響が出て当然です。 

僕がドキッとしたのは、「終末期のがん患者の体は異化状態だ」とドクターが言った言葉でした。

catabolic state

どんな症状か、見てみましょう。

副腎疲労と長く付き合っている人なら、どんな症状かわかるはずです。

・運動ができなくなる

・基本的なベースラインのエネルギーが低い

・なにか活動(日常的な軽いものでも)をした時の疲労が非常に大きい

・たくさん食べても体重が増えない

・原因不明の体重減少

・消化機能が悪くなるために起こる様々な症状:膨満感、便秘、食物不耐性、アレルギーなど

・トマト、アーモンド、乳製品、グルテン、小麦などの特定の食品に対する不耐性やアレルギー

・1度の食事に1~2時間かかる(食事をするエネルギーが不足しているため)

・ブレインフォグ

・不眠症

・肝臓の周囲の不快感や痛み

・筋肉のけいれん

・息切れ、深く呼吸できない

・上腕二頭筋、上腕三頭筋、胸部、および臀筋の筋肉が目に見えて落ちる

・皮膚の色素沈着、シミの増加

・目や額の周りにしわが増える

・体温が低く、寒さに敏感になる

・起床時のめまいやふらつき

・低血圧

・低血糖

・生の食品が食べられない

・胃酸の減少

・胃が食べ物を受け付けなくなり、一度に食べられる量が非常に少なくなる

・電解質の不均衡、特にカリウムとナトリウム

・お腹まわりがぽっこりになる

すべての症状が現れるわけではありません。

僕の場合、上に書いた症状のうち、70%くらい当てはまっています。

特にひどかったのは、歯磨きや服を着るなど、ごくごく当たり前の動作をするのもしんどくてできなくなるほど疲弊していたこと、そして息がちゃんとできなくて、このまま息が吸えなくなって、肺がつぶれて死んでしまうと思ったことさえありました。

次のブログで、さらに「異化」が招く危険性について書きます。