副腎とコルチゾール

一日の終わり、夜になるとコルチゾールは減少し、体が休みモードに入り眠ることができます。正常な健康体であれば。

しかし、体が絶えずストレスに攻撃されていると、コルチゾールはバランスを失い、体に悪影響を与えます。ストレスは、身体的なもの、メンタル的なもの、社会的なもの、感情的なもの、どんな種類であっても同じです。

人は何らかのストレスを感じると、脳が副腎にコルチゾールを作るように命令を発し、ストレスと闘う準備をします。それだけではなく、脳は心血管系にも指示を出し、肺に血液を送り込み、臓器や動脈への血流を増やすことによって、ストレスに対抗する準備をするのだと、ドクターから教わりました。健康で正常な体はこのようにして、ストレスに立ち向かうするための措置をとります。

ただし、戦うことは得策ではない、と判断する場合もあります。そんな時には人の体は逃避を選択します。逃げることで体を守るのです。逃避を選んだ場合も、闘いを選んだ場合も、脅威が過ぎ去ると体は通常モードに戻ります。

あくまでも正常で健康な人の場合はこれができるのですが、副腎疲労になってしまうとそうはいきません。ストレスが過ぎ去ったにも関わらず、体はパニック状態のままなのです。コルチゾールとエピネフリンが溢れ、こうしたホルモンのバランスをとるシステムがうまく機能しなくなってしまいます。

だから副腎疲労の人は常に体中に電気が走っているかのような感覚があり、同時に疲れ果ててしまうわけです。僕もまさにそうでした。

ストレスを絶えず受け続けると、副腎はオーバードライブ状態に入ってしまい、体が対処できる量よりずっと多いコルチゾールを作り出してしまいます。そうなると体は常にピリピリと張りつめた状態でまったく休むことができません。不安感が強くなり、一日中疲れていて、それなのに夜は眠れないのです。コルチゾールを出し過ぎているからです。

anxiety

コルチゾールレベルが高い状態が続くと、体は様々な影響を受け、危険な問題に発展してしまうこともあります。以下のような問題を引き起こすと、ドクターは言っています。

  • 疲労感や寒気を感じる。
  • 甲状腺機能の問題。
  • 高血糖。
  • 腸の炎症。
  • テストステロンの低下。
  • 筋力低下、体脂肪。
  • ブレインフォグ、記憶力低下。
  • 肝臓機能の低下。
  • 免疫の低下で感染しやすい。
  • 24時間のリズムが狂う。
  • 不眠や睡眠が不規則に。

副腎が酷使され様々な問題が発生し、その結果、今度は副腎が完全に疲弊し燃え尽きてしまいます。そうなると、どんなストレスにももう対抗できなくなってしまうのです。

こうなると副腎は完全に仕事をやめてしまい、コルチゾールを全く作らなくなったり、生きるために必要最低限しか作らないという事になるのです。

副腎疲労は、人生や普通の暮らしを奪っていきます。病気ではない(病気と認められていない)のに、全身あちこちに耐え難い症状が現れます。血液検査やその他色々な検査を受けても何ら異常は現れません。だから普通の医師は何も助けてくれません。

自分で自分の体の声を声を聞くことが、最善で唯一の方法です。体は嘘をつきません。必ず何らかの症状を現して訴えてきます。何かがおかしい、普通じゃないと感じたら、一度立ち止まってみてください。何が自分に耐え難いストレスを与えているのか、考えてみて下さい。