自分は副腎疲労から回復しているのだろうか?
体調は良くなったり悪くなったりで、自分のやっていることは正しいのか?
僕自身も、こんな思いをずーっと抱えながら2年半以上過ごしてきました。
重要な事は、副腎疲労から回復する時も、副腎疲労が始まった時と同じだ、ということなのです。
つまりどちらも「長い旅」ということです。
副腎疲労はある日突然なる病気ではありません。長い時間をかけて、体にストレスをかけ続け、それがたまりにたまってしまった結果、副腎が疲弊してしまい、様々な症状を引き起こす副腎疲労症候群に至ってしまったわけです。
だから、回復の旅もまったく同じで、長い時間をかけてまたたどる道のりなのです。
副腎をじわじわ痛め続けたのだから、回復もまた長い期間をかけじわじわと進まなければなりません。
このブログで何度も話したように、回復の道のりはアップダウンの繰り返しです。
一歩進んで、二歩下がる、ちょっと休んでまた一歩、続けてもう一歩、ちょっとその場足踏み、そしてまた一歩、と言う感じです。
「確かに回復しているな」と実感できるのは、今いるところから1年前、2年前を振り返った時だけです。
「回復」が今まさに起きている、とはなかなか感じられないのです。うんざりするほど回復が感じられず、嫌気がさす毎日を過ごしました。
ドクターとのカウンセリングの度に、彼はいろいろと教えてくれます。
今どこにいて、この後何が必要で、どこに向かっていくのか、ここからどんなふうになっていくのか、など説明してくれるのですが、一回で理解できないことも結構あって、なんども聞き返すこともよくあります。
かみ砕いてわかりやすいように説明してくれるのですが、医学的、専門的な話も多くどうしてもその場で理解できない場合には、メールで改めて質問します。忙しいドクターなのに、必ず返事を送ってくれます。
自分で自分の体を知る、変化を理解する、限界を知ることがとても大事で、サプリメントや食べ物、食べる量、運動、ストレスに対し、自分の体がどう反応するかをしっかり見極め、自分で調節できるようにすることが大事だということをドクターに何度も言われます。
例えば、ブログ記事でも書きましたが、なにか予定や仕事が入っている時には、その前日とその翌日は完全に休養日にする、ということも、回復のための方法の一つです。
エネルギーをセーブし十分に体の準備をすること、そして仕事を終えた翌日は、しっかり休んで体を癒し、フル回転した頭を休めます。
先月、2日連続でフルで仕事をした時も、僕はその前の2日間完全に体を休め、仕事が終わった後も2日間、休養に充てました。一日の休養では体の疲労が完全に回復しませんでした。
気持ち的には変な焦りと、いつもの運動をしないと体調が後戻りしてしまいそうで不安になったのですが、そこはぐっと我慢して、体を癒すことだけに専念しました。2日仕事をするために、前後4日間何もせず、ただただボーっと過ごさなければならないというのも情けない話ですし、それよりも時間を無駄に過ごしているようでフラストレーションが溜まるのです。
でも、無理をしない事、やり過ぎはダメだということを、僕は何度も痛い経験をしてやっと学びました。
何度クラッシュして、何度後悔したか数えきれません。
だから、1日や2日、停滞したとしてもイライラしてはいけないのです。
クラッシュして無駄にした日数を考えれば、どうってことありません。
僕のドクターも同じ経験をしたと言っていました。
回復のごく初期の段階であれば、「あ、きょうはいい感じ」という日が1日あって、そのあと「あれ、全然ダメだ」という日が3~4日続くというパターンになることが多いというのですが、 僕の場合、体調の良い日が1日あって、その後、ダメな日が何週間も続き、良い日のことを忘れそうになった頃、また良い日が訪れる、というパターンでした。
体調の悪い日は、3カ月ほど続くことが多かったです。
しかし、こんな状況でも「全然回復していない」ということではないのです。
これは「体が良くなろうと、もがいている」ということなのだと、ドクターに言われました。
ドクター曰く、この体調の良い一日は、体があなたにご褒美を与えてくれたということです。
ではそのご褒美をいかに長持ちさせるか、知りたいですよね。
ドクターは「ガソリンを入れてアクセルを踏むか、ブレーキを踏むか、ニュートラルに入れて置くか、それをうまくコントロールするだけ」だと言います。
つまり、サプリメントを増やして一気にプッシュするか、サプリメントを減らしてスローダウンするか、あるいは何も変えず今の状態を維持するか、ということなのですが、僕はそんな話を聞いてもやはりイライラするばかりでした。
「まずはあなたの体を安定させることです」と何度も言われました。
じゃあ一体、体が安定するまでにどのくらいの時間が必要なの?
もっと早く良くなりたいのに!
「これが体を癒すプロセスの一部なんです。」そう説明するドクター自身が、今の僕の気持ちも、今僕がいる場所も、すべて経験済みなのです。
彼は確信してやっているのです。
だから、僕はドクターを100%信頼できるのです。他のほとんどの医者は、今僕が経験していること、どんなにきつかったか、どれほど絶望したか、経験していないでしょう。
いつガソリンを補給するべきか、いつブレーキを踏むべきか、何も経験していない人に指導できますか?
ドクターのポリシーは、ゆっくりと着実に歩みを進めることです。
体が自分で治癒する力を取り戻すのをじっくり待ちながら、それを後押しする方法です。
いきなりホルモンを注入したりは決してしません。
そのゆっくりの道のりの中で、当然、後退することもあります。それは避けられない事です。
そういう機会に、自分の体がどのように反応するかをしっかり学びとっていくことで、その後、クラッシュすることを防ぐことができたり、クラッシュの回数を減らすことができたりするわけです。
これが回復への道です。 他に方法はありません。
副腎疲労症候群は一晩で起きるわけではなく、一晩で治るわけでもありません。
だから、長距離ドライブのためにシートベルトをしっかりしめてください。
僕は3年以上暗闇をヘロヘロになりながら運転してきました。
そしてようやくトンネルの終わりに光を見ることができました。