下痢と内視鏡とピロリ菌 2016年夏

ドクターAによる治療とサプリメント指導が始まり、どっさり買った新しいサプリメントも飲み始めていました。ドクターが言った「翌年の夏には、君は良くなっているよ」という言葉を信じて、ここからは良くなっていくことしか考えていませんでした。

ドクターは、僕のアルドステロンのレベルが低いとかなんとか言っていて、その時僕は、このドクター、何でもわかってるんだ…と感心してしまったことを覚えています。アルドステロンって何だ?と思い、調べたところ、これもホルモンの一つで、やはり副腎皮質から分泌されるものらしい。どんな働きをするのかと言うと、体液の塩分の調節や血圧の調節をするのが主な役目ということで、つまりアルドステロンが低いという事は、塩分や血圧に気をつけろ、という事なんだな、と解釈しました。あってるかな?

とにかく、僕はドクターの指示に忠実にサプリメントを飲み、朝起きたらまずやるように言われたオイルプリングと、水に塩をいれて飲むのを続けていました。順調…のはずでした。

お腹の急降下

ある朝、朝食後にお腹の急降下が起き、トイレに飛び込みました。下痢です。でも別に気にしていませんでした。誰だって下痢することはあるでしょ。

次の朝、朝食を食べた後、問題はなし。ただの下痢だったんだ、と思っていたら、1時間ほどしてまたもやトイレに急行することに。この日は1回だけじゃなく2回。でもその後は寝るまでは大丈夫でした。

3日目、朝食後、またです。この日は結局3回。

diarrhea

これは変だと思い、ドクターAにメールで質問しました。すぐに返事が届き、飲んでいるサプリメントを全部ストップするよう言われました。48時間ストップしたら、また再開するように、ということでした。下痢で脱水症状にならないよう、水をたくさん飲むように、とも言われました。1日2リットル飲んでいたのですが、それではまったく足りなかったようです。

5週間下痢が続く

サプリメントをストップした2日間も、相変わらず下痢は続きました。48時間経って、指示通りにサプリメントを飲み始めても、なにも変わりません。下痢は続いていました。

toiletpaper

僕は再びドクターにメールを送って下痢が止まらないと伝えました。またすぐ返事が来て、サプリメントを全部ストップし、次の電話カウンセリングの日(10日後)まで、一切何も取らないようにという事でした。そしてグルテンをとらないようにと言われ、それももちろん実行しました。グルテンは腸の粘膜に炎症を起こし、下痢を引き起こすからです。

下痢を止める薬を飲んでも良いか尋ねると、それはダメだと言われました。ドクターは下痢の原因を突き止めたかったようです。ドリーは、下痢の原因は朝、水に混ぜているピンクのヒマラヤ岩塩ではないか、と言いました。腸を掃除するためデトックスウオーターとして岩塩を水に入れて飲む人もいる位なので、もしかしたらそうかもしれません。でも、岩塩の塩水をやめても、下痢は止まりませんでした。

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何が原因でこんなに下痢が続くのか、まったくわかりませんでした。ドクターもその時はわからなかったようで、とにかく何もかもストップするしかなかったのです。おかゆしか食べられず、それでも下痢の勢いはまったく弱まることはありません。

5週間でした。下痢が5週間も続いたんです。ある日は、17回もトイレに行き、もう何も出るものもなくなり、透明の液体が出るだけでした。

生まれて初めての内視鏡

僕は、とうとう近所の胃腸内科に行きました。その医師は、憩室症(腸にできる風船のような袋状のもの)かもしれないと、大きな病院で胃と腸の内視鏡検査を受けるように言われました。

早速、紹介状を持って大きな病院に行きました。内視鏡検査は、50代になれば一度受けておいたほうがよいと言われるし、ちょうど良い機会だと思いました。ただ、検査そのものよりもその前に下剤を飲んで腸を空っぽにきれいにしなければならないのです。もうすでに空っぽだって…。

看護師さんが丁寧に説明してくれ、何度かトイレに行って、出るものが透明になったら、腸がきれいになったということですので…という所で、ドリーがすかさず、「もう何日も透明の液体しか出てないです」と言ってくれたのですが、このプロセスを飛ばすことはできないので、とにかくやって下さい、と言われました。

検査の朝、1リットルの下剤を1時間ほどかけて飲み、透明の便(液体)が出たのを確認して、検査を受けに行きました。

鎮痛剤を打っているので、胃カメラはまったく痛くはなかったのですが、腸は曲がり角のところでちょっとグリっと痛いような感じはありましたが、大したことはありませんでした。検査中、若くてカワイイ看護師さんばかりで、それがちょっと恥ずかしかったです。

colonoscopy

検査の後、僕はすこしウトウトしていたのですが、医師がドリーに説明してくれたことによると、十二指腸に潰瘍になった跡があるが、それはもう治っているので今は問題ない、腸はとてもきれいで何も問題はない、という事でした。ピロリ菌を調べるために、胃の組織を少しとったという事で、結果は2週間後にわかる、という事でした。ひとまず、深刻な病気はなにもなかったので一安心です。

ピロリ菌がいた

2週間後、結果を聞きに再び病院を訪れました。ガッチリしたラグビー選手のような医師でしたが、とても優しく、ドリーに説明したのと同じ事を画像を見ながらもう一度話してくれました。そして、ピロリ菌が見つかったと。除菌するために、1週間分の抗菌剤を出してくれました。

ドリーが「絶対に除菌しなくちゃいけないものですか?」と聞いたところ、絶対という事はないけれど、「ピロリ菌が原因で胃がんになったら嫌でしょ」と非常にわかりやすい回答でした。もちろんドリーは、僕の副腎疲労のことを心配して、体に負担のかかる除菌を今、このタイミングでやるのはどうか、と思って質問してくれたのです。

このことを早速ドクターAにぶつけてみたところ、「今は除菌は勧めたくない、副腎疲労が良くなれば、ピロリ菌は悪さをしないので」という主旨のことを言っていました。でも同時に、僕が除菌したいと思っているのなら、それを止めることはできないけれど、私にやるべきかどうか助言を求めるなら、答えはNoだ、と言いました。

僕はドクターAの言葉を信用しました。抗菌剤は飲みませんでした。今も僕の胃の中でピロリ菌を飼っています。