都内のある企業で、1日8時間の集中セミナーの講師をすることになり、近くのビジネスホテルに滞在していました。研修当日の朝、ホテルを出て雨あがりの街を歩き出したとたん、両目から涙が滝のように流れ出したのです。大げさに言っているのではなく、文字通り「滝」のように。
先に言っておかないといけないけど、僕は生まれてこの方、花粉症や鼻炎アレルギーと言うものにはまったく無縁でした。ドリーが毎年春に花粉症でくしゃみを連発しているのを横目に、僕は平気な顔をして花粉の街を闊歩していました。
そんな僕は、一体何が起きているのかまったくわからず、とにかく止まらない滝の涙と一緒に鼻水も出始め、これじゃあ仕事にならんと、すぐドリーに電話したところ、「たぶん花粉症じゃないの?花粉症はある日突然はじまるから」と、スギとヒノキの花粉症を持つドリーが愛用している、眠くならず早くよく効くというアレルギー薬の名前と箱の写真を撮って送ってもらい、その足でドラッグストアへ急行。店員さんに写真を見せて無事購入し、早速飲みました。が、まったく効果なし!8時間ずーっと滝のような涙と鼻水は出っ放しで、研修参加者に何度も「ほんとに申し訳ない。アレルギーでもないし、原因がわからないんだけど、とにかく朝から涙が止まらない」と謝り倒してたら、参加者の一人が「PM2.5じゃないか、今日はいっぱい飛んでますよ」と言ってくれました。P…なに?
ホテルに戻って早速検索。PM2.5とは一体なにかを調べ、生まれて初めてそんなものが中国から飛んできていることを知ったのでした。北米に住む人にとっては、何それ?と思うけど、日本に住んでいたら、中国から飛んでくるそんなものにも神経をとがらせないといけないのか!と、何とも言えない脱力感にも襲われたのを覚えています。
翌日になると、不思議なくらいピタッと止まり、きのうの滝の涙は悪夢だったのか、と思うほどいつも通りに戻ったのでした。
その週末、僕はPM2.5を測定するアプリをサーチしてインストール。それから、花粉より小さなPM2.5も捕集できるフィルターのマスクを購入。アプリを必ず確認して飛散が多い時には赤の警告マークがつくので、そう言う時には不必要な外出は避け、仕事などで出かけなければならない時には、このマスクを着用しました。なんかものものしいマスクで、街を歩くにはちと恥ずかしいのですが、そんなことは言ってられません。
さらに、ドリーが室内のPM2.5、カビやハウスダストなどを測定する空気チェッカー『airmon』というセンサーを探してくれて速攻購入。アプリもあって、iPhoneで結果を確認できる優れものです。
実はアレルギーやアトピー性皮膚炎は、副腎疲労と深く関係していることを学びました。アレルギーの原因物質が体内に入ってくると、体を異物から守るためにヒスタミンなどの物質が放出され、異物を処理する際に出る炎症反応がアレルギー症状なのですが、放出するヒスタミンの量を調整しているのが、まさに副腎が造るコルチゾール。副腎が弱るとヒスタミンの量をコントロールすることができなくなり、過剰に放出されてしまうことで、アレルギー症状が悪化するということなのです。
これも1年以上たってから、副腎疲労について知識を深める中でわかったことで、あの日いきなり滝の涙が止まらなくなった時には、僕は薬も効かず、どうすることもできず、「ウオーーー頼むから止まってくれーー」と何度も心の中で叫んでいました。
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空気チェッカーです。アプリもダウンロードできて便利。小さくて置き場所を選ばす、しかも持ち運びもできるので、旅行先にも持って行けます。
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