慢性疲労と副腎疲労

慢性疲労(CFS)と副腎疲労(AFS)は、似て非なるものです。

どちらにも現れる良く似た兆候や症状はいくつかありますし、残念な共通点として、どちらに対しても懐疑的な見方をされている部分があり、医療制度やサポートシステムが整っていないことです。

単に「怠けている」「メンタルの問題」と見られてしまうことも共通しています。

慢性疲労の人も副腎疲労の人も、なかなか正確な診断を受けられず、当然のことながら適切な治療を受けられる医療機関が少ない、ということなのです。

慢性疲労症候群の定義:原因がわからず、永続的で深刻な疲労を特徴とする。

副腎疲労症候群の定義:長期間にわたる激しいストレスが原因で起き、疲労感が継続する。

それぞれの定義を見ても、明確に2つの症候群を区別することは難しいです。

副腎疲労になったことがない人にとっては、どちらも疲労が抜けず、いつも疲れている状態で、同じ状態のように思えますよね。

エネルギーが全く出ず、ちょっと動いたり、軽い作業をしただけでもものすごく消耗してしまい寝込んでしまう、筋力がおちる、脱力感、睡眠不足、集中力低下など、とても良く似た症状があります。

fatigue

でも明らかな違いもいくつかあります。

この2つの疲労症候群に対する治療法はまったく違うのです。副腎疲労の人が、慢性疲労だと診断されてその治療を受けるとそれは大きな間違いだし、その逆もそうです。

この疲れは何なのか、何が原因なのかを正確に判断しなければなりません。

慢性疲労症候群は、別名「筋痛性脳脊髄炎(ME)」と言います。別名を聞くと、副腎疲労と全然違うものだと思えますよね。

慢性疲労が起きる引き金となるのは、多くの場合、腺熱などのウイルス感染症、または肺炎などの細菌への感染です。

副腎疲労では現れない症状が、慢性疲労では現れます。例えば、のどの痛みが続く、リンパ節の腫れや痛み、微熱が続く、このような症状は副腎疲労ではほとんど出ません。

ただ、慢性疲労症候群の人が、その病気が進行するにつれて、ストレスが大きくなり、しかも長く続くことによって、副腎疲労を起こす危険性はあります。

副腎疲労と慢性疲労には、まったく対照的なこともあります。

副腎疲労は、何年もかけてだんだんと疲労が重なり重度になりますが、慢性疲労はウイルスや細菌の感染で突然起きます。

副腎疲労は、運動で症状が和らぎますが、慢性疲労は運動すると悪化してしまいます。

副腎疲労は、いつも何か食べていなければ動けないので、太って体重が増えますが、慢性疲労は、食欲がなくなって体重が落ちます。

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とにかく疲れる、体力がない、動けない、このような症状を訴える病気は、他にもあります。甲状腺の病気や、自己免疫疾患などです。

だから、いつまでも続く疲労感を訴えて病院を訪ねても、なかなか何の病気がわからず、病院を何軒も何軒も変え、似たような検査を何度も受け、いつまでたっても原因も病名もわからず絶望的になってしまうこともあります。

それでも、自分の病気が何なのか、原因は何なのかを正確に知らなければ、まったく見当はずれの治療を受けてしまって全然改善しなかったり、悪化してしまったりすることもあるわけです。

このブログでも何度も言っていますが、この疲れは副腎疲労に違いない…などと思い込んで、副腎増強サプリメントを飲むようなことはしないで下さい。

何軒でも病院に行って、あらゆる検査を受けて、自分は一体なんでこんなにしんどいのかを探りあててください。