アドレナル・ファティーグ=副腎疲労とは何?

副腎疲労症候群とはいったい何なのか。今では情報が増え、テレビや雑誌などで特集が組まれたり、書籍やインターネットでも調べることができるようになったので、代表的な症状や、医学的な説明については必要最小限に留め、それよりも患者である僕の体験から、いろいろな現れ方をする症状とその仕組みについて、僕が医師から受けた説明と合わせてお話ししたいと思います。

 

副腎とは、左右の腎臓の上部にある小さなピラミッド型の臓器で、ホルモンを分泌する器官。生命の維持に欠かせない様々なホルモンを分泌します。ホルモンと聞くと、誰もが思い浮かべるのが、男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)。人が快感を感じたり、やる気を起させたりするドーパミン、『火事場の馬鹿力』などと例えられることもあるアドレナリンもよく聞くホルモンですよね。副腎が分泌するホルモンは実に様々な種類と役割があって、必要な時に必要なホルモンが必要な量分泌されて、すべてが絶妙にバランスを取りながら連携し合って機能し、人が生き続けられるように働いてくれているわけです。

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こうしたホルモンの中で、人がストレスを受けた時に分泌する"ストレスと闘うホルモン″が「コルチゾール」です。「人間関係でストレスがたまる」とか「仕事のプレッシャーでストレスを感じる」とか言いますが、ストレスとは、このような精神面にかかるものだけではなく、気候、大気、食べ物、感染症、激しい運動、歯の治療、添加物や金属など体に炎症を起こす物質など、人の心と体の両方に打撃を与えるモノすべてです。

 

心身にストレスがかかった時に、副腎は「コルチゾール」を分泌して、そのストレスが人体に与える悪影響を抑えるために一生懸命働きます。人がストレスを乗り越え、また元気を取り戻して生き続けられるのは、コルチゾールが働いてくれるお陰なんですね。ところが、強いストレスが途切れることなく、長い間かかり続けたらどうなるでしょう?副腎はものすごい量のコルチゾールを絶え間なく作って、出し続けなければならない。副腎だって疲れて機能が低下してしまいますよね。弱った副腎は、コルチゾールはもう作れない…となって、コルチゾールが助けてくれないと、人はストレスを処理しきれなくなってしまいます。

副腎の仕事はコルチゾールだけではなく、その他のホルモンも分泌しなければならないのに、それらを作り出す力もなくなってしまい、人が生きるために必要な様々なホルモンが枯渇状態になってしまいます。そうなると、人の体には様々な不具合が出てくるんです。

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副腎疲労の代表的な症状が、「どんなに休んでも疲れがとれない」「体がだるい」「朝、起きるのがつらい、起き上がれない」「何をするのも億劫になる」「すぐにイライラして怒りっぽくなる」「性欲がなくなる」「フラフラする、めまいがする」「甘いものが欲しくなる」「しょっぱいものが欲しくなる」「考えがまとまらず、物事を決められない」「物覚えが悪くなる」などなど。インターネットや書籍でも『こうした症状があったら、副腎疲労かもしれません』と書かれていますが、こんな症状は誰にでも体調の悪い時には起こるようなものばかりですよね。

 

それで、もう少し様子を見てみようと、3か月、半年とそのままにしてしまう。そして手遅れになってしまうんです。僕の場合も、もっと早く気付いて適切な治療をはじめていれば、回復にこんなに長くかからなかったはずです。このブログでは、普段誰もが経験する「あー疲れた」とは何か違う、ということに早く気付くことができるよう、僕に起きた症状を、なるべく具体的に詳細に書いていこうと思います。

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僕が経験した尋常じゃない疲れ、どんな言葉で表せばいいかな…「疲弊」「衰弱」っていう感じ。僕は20代の頃から、ほぼ毎日ジムでウェイトトレーニングを続けてきて、それまでの自分にピッタリくる言葉は「頑丈」「強靭」で、「弱い」を連想させる言葉はまったく当てはまらなかったのです。風邪をひくこともほとんどなく、病気とは全く無縁でした。それが幻のように消えてなくなり、「虚弱」な自分を自覚するのはとても残酷なことでした。 ”ウオーキング デッド という言葉がぴったり、まさに「歩く屍」。

一日の仕事をこなすには、午前中にブラックコーヒーとユンケルを1本ずつ、昼食後にカテキン強めの緑茶とユンケルを1本ずつ、午後の休憩時にまたブラックコーヒー。そうしないと、ヘロヘロになってしまうような状態です。

 

疲労、衰弱がどんなものか、いくつか具体例をあげると、

・腕が重く、自分の歯を磨くことに疲れるようになった。

・いつも仕事に使っている鞄やキャリーケースが、異常に重く感じるようになった。

・駅までの10分弱の徒歩が、きつく感じるようになった。

・歩くスピードが半分くらいになり、ドリーに「もうちょっとゆっくり歩いて」と頼むようになった。

・横断歩道で信号が点滅し始め、走ろうと思っても走れなくなった。

・電車や飛行機の荷台に、荷物を上げられなくなった。

それぞれの症状が起き始めた時の状況なども含め、それぞれ別の記事で詳しく書いて行こうと思います。

 

疲労感の他に、体と心のあちこちが崩壊していく感じがものすごく不安にさせます。例えば、 

・息が苦しい。ぜんそくになってしまったのかと思うほど。家の中を歩いているだけでハアハアしてしまう。

・今までなかったのに、急にひどいアレルギー症状が現れる。

・眠れない、眠りが浅く、寝たのか寝なかったのかがよくわからない。

・お腹が出て、かつてのマッチョはすっかりメタボリックおじさんに。しかもそのお腹はぶよぶよではなく、

スイカが丸ごと入っているかのようにカッチカチ。持っている服がほとんど入らなくなってしまった(涙)。

・一晩に5~6回もトイレに行き、それが毎晩のように続く。

・血圧が低い。

・自分ではまっすぐ歩いていないような感じがするのだが、実はまっすぐ歩いている。

・肩、脇バラ、胸、上腕など、凝った感じ、動きが悪い、圧迫感など、重い感じがある。

・首の横や後がガチガチに凝り固まる。

・指先が、水にずっと浸かっている時のように、ふやけてしわしわになっている。

・分析や状況判断が難しくなり、考えを整理したりまとめたりすることが難しくなった。

・すぐに決断しなくちゃいけない事ほど、決められない。

・音に非常に敏感になり、騒音にイライラする。

・怒りっぽくなり、ちょっとしたことでも腹が立つ。

・仕事を最後までやり遂げることができるか、不安になる。(今まではそんなことはなかった)

・肌質が変わる。僕の場合は、なんとなく色がくすみ、乾燥してパサつく。

・耳が聞こえにくくなって、何度も呼ばれているのに気づいていないことがよくあった。

・目がどこも見ていないような、力が入ってなくて、焦点も絞っていないような感じ。

最後の3つは、自覚があったわけではなく、ドリーに言われて気づいた事です。

 

内科、呼吸器科、消化器科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、心臓外科、整形外科など、とにかくあらゆる検査を受けましたが、検査の結果、数値的にはまったく正常で問題なし。薬も出ないし、どうすることもできず、ますます不安のどん底をさまようしかなかったのです。

 

今の医学の標準的な検査では、副腎疲労を見抜くことができません。

慢性的な疲労があるのに原因がわかっていない人が、日本の人口の1%程度いると言われています。

アメリカでは、人口の15%程度が副腎疲労ではないかと言われています。

現代社会で生きる人の多くがかかっているかもしれない副腎疲労なのに、現代医学が、医師が、それを認識していないというとても残念な現状です。だからこの病気は、自分から動かないと前に進まないんです。体も心もしんどい状態なのに、自分で調べて自分で答えを探していかないといけない、本当に厄介です。