副腎疲労のブログをはじめたワケ

こんにちは、エルです。

僕は北米出身、現在首都圏在住の50代です。

来日から20数年、英語ネイティブスピーカーなら誰もが手はじめに就く仕事「英語講師」から始まり、その後自分の会社を立ち上げました。ビジネスは着実に成長し、都心にオフィスを構え、従業員も雇い、誰もが知っている大きな企業の人材育成やコンサルティングに携わるようになり、ますます頑張らなくちゃと思っていたそんな時に、僕の体に何かが起きました。

最初は、ちょっと無理が続いて疲れが溜まったかなー、と考えていたんだけど、どんどんおかしな症状が体のあちこちに現れるようになり、これは単なる疲れなんかじゃない、何か深刻なことが自分の体で起きていると確信したのです。

いくつもの病院で様々な検査を受けたけれど異常は見つからず、原因不明の不調が1年、2年と続いて不安と恐怖のどん底に。休んでも回復するどころか、身体面だけでなく、思考や気力、集中力など気持ちの面まで変わっていく自分に怖くなっていました。

「アドレナル・ファティーグ、副腎疲労かもしれないわよ」という言葉を初めて聞いたのは、ハワイの小さなクリニックのアメリカ人女性医師からでした。少し日本を離れてゆっくりし、現地の医師に英語で相談してみようと行ったハワイ。早速インターネットで検索し、いくつかピックアップしたクリニックの中の一つでした。初めて会ったその医師に、自分の体の状態、日本での生活、仕事のストレスなどについて話しました。僕は母国語で話ができ、医師もちゃんと僕の話を聞いて理解してくれたということだけで、なんだかすごく気持ちが和らいだことを今でも覚えています。

その女性医師は、アドレナル・ファティーグ=副腎疲労であることを確定診断するべく、早速いくつかの検査を手配し、僕はハワイ滞在中に様々な検査を受けました。どの検査も、日本の病院で受けた数々の検査とはまったく異なる視点からの検査でした。検査の結果、副腎が弱ってコルチゾールというホルモンが極めて低い、つまりアドレナル・ファティーグ=副腎疲労症候群であると結論が出たのです。体の不調に気づき初めてから3年以上、初めて自分がアドレナル・ファティーグ=副腎疲労症候群という状態にあることがわかり、原因不明という底なし沼にどんどん落ちていっていた僕は、頭だけ引き上げられた感じがしたのです。

僕は、この症状を治してくれる専門の医師を血眼になって探しました。そして見つけたアメリカ人の男性医師の指導の元、治療をはじめて2年半ほど経ちました。このドクターには最初「まあ1年で元に戻るでしょう。安心してください」と言われていました。ところが、経過は山あり谷あり、2歩進んで5歩下がる、まさにこんな感じで、途中何度も「本当に良くなるのか」という気持ちになりながら、なんとか投げやりにならずに続けてきました。当初の見積りより2倍以上の時間がかかっていますが、ここ2~3か月位でようやく回復方向に向かっていることが自覚できるようになりました。

数か月前まではブログを書くどころか、何か建設的な事を考えることなどできず、ただただ日々生きるために当たり前のこと、眠る、起きる、食べる、動く、という事をすることで精いっぱいだったのです。ようやく、長い暗いトンネルの先に光が見えてきた今、同じ悩みや症状を持つ人と情報を共有、交換しながら、微力ながら助けになれればと思い、このブログを始めることにしました。

tunnel

ブログには、次から次へと形を変えて現れる様々な不調をありのままにお伝えし、現在治療を受けている医師のアドバイスを受けながら実践してきた、日々のライフスタイルの改良、食事、運動、サプリメント、考え方の変化など、できるだけ詳細に書いていこうと思います。医学的な助言や提案は僕にはできませんし、そのようなつもりもまったくありません。アドレナル・ファティーグ=副腎疲労は、一人一人症状の現れ方や疲労のレベル、原因も違えば、回復のスピードも異なります。医師は一人一人に合わせた治療をしていますので、このブログを読んでそのまま同じ方法をコピーするようなことは決してしないでください。ある人にとってはベストなサプリメントが、別の人にはまったく逆効果になることがあります。僕自身が経験済みですので、本当に注意しなければなりません。

アドレナル・ファティーグ=副腎疲労は、正式な病名ではありません。日本だけでなく欧米でもまだまだ認識されていない病気で、専門的に治療に当たっている医師も多くはありません。実際に、日本で「副腎疲労なんです」と言っても「何それ?」という答えが、医師の方々から返って来たことも何度もあります。

僕が治療を始めた時はすでに遅きに失し、アドバンス・ステージまで進んでしまっていて、体は完全に消耗し、疲弊しきっていました。原因がわからず、何もできずにどんどん悪化していくだけで、僕は本当に「誰か助けて!」と叫びたい気持ちでした。50才を越えたおじさんが、声をあげて泣きたくなったことも何度もあります。皆さんの中にも、「寝ても休んでも体が疲れている」「頭がボーっとして仕事が進まない」など、訳のわからない不調で悩んでいたら、このブログが少しでも助けになれば嬉しいです。