ブログを読んでくれている人や、ツイッターをフォローしてくれている人から、時々質問を頂きます。多くの場合は、要約すると「今いろいろな不調に悩まされていて、もしかしたら副腎疲労ではないかと思っているが、こんな症状はありますか?」という感じの質問が多いです。
これまでの4年半の経験からお話しすることはできるのですが、いつも最後に「まずは病院で考えられるすべての検査を受け、それでまったく異常が見つからなければコルチゾールの唾液検査を受けてみること」をお勧めしています。
そして検査を受けられた方から、コルチゾール値の結果を知らせて頂くこともあります。一日を通して標準よりずっと低くなっている場合は明らかですが、そうではなく一日を通して高い、または深夜にとても高いなど、コルチゾールの上昇がみられることがあります。
そこで、今日は高いコルチゾール値について書いてみたいと思います。
【注意】クッシング症候群などの他の副腎の病気ではないという前提でのお話しです。コルチゾール値が一貫して高い状態、中でも深夜のコルチゾールが高いのが、クッシング症候群に見られる特徴ですので、ご注意ください。
副腎疲労は、ストレスによってコルチゾールが大量に分泌されることが原因で引き起こされる病気です。
コルチゾールはストレスに体が対処するために必要なものです。ストレスを感じている時にはコルチゾールは欠かせません。
ストレスが一時的なものでストレスが過ぎ去ればコルチゾール値も落ち着きます。それならば何の問題もありません。
しかし強いストレスが延々と続きコルチゾールがずっと高い状態が続くと、副腎疲労が始まってしまいます。
そして最終的には体に壊滅的な影響を与えてしまうのです。
コルチゾールがずっと上昇している状態が続くと次のような影響を及ぼします。
- 細胞の再生が遅くなる
- 病気やケガの治癒が遅くなる
- 健康な骨および筋肉組織を破壊する
- 免疫システムを弱める
- 体にとって不可欠な他のホルモンを産生するため、体が必要とする化学物質を独占してしまう
コルチゾールが高すぎると、次のような症状が現れることがあります。
- 顔の紅潮
- ストレッチマークや青あざなどが皮膚に現れる
- 血圧の上昇
- 筋力の低下
- 急に体重が増える。特に、顔、腹部、胸部が太り、体に比べて腕や脚が細くなる
- 喉が渇く
- 頻尿
- うつ病、いらいら、いつも不安になるなど、気分の変動が増える
- 疲れ
- 発汗
- しょっぱいものが欲しくなる
- 朝、お腹が痛くなったりむかついたりする
コルチゾールが高くなるきっかけとしては、いろいろなことが原因としてあげられます。
- 副腎障害
- 妊娠
- 経口避妊薬の使用
- 手術、けが、または病気
- 腎臓の問題
- 肝臓の問題
- 甲状腺機能亢進症
- うつ
- ストレス
- 合成コルチゾールサプリメントの使用
人間は皆、ストレス時に自分を守るためにコルチゾールを必要としますが、逆に多すぎると自分の体を破壊してしまうという非常に難しいホルモンです。
副腎疲労になり始めの頃は、副腎はまだ頑張っています。ストレスに対抗しようと一生懸命コルチゾールを出すので、唾液検査のグラフは一日を通して高い、あるいは朝が少し低めでだんだん高くなっていくような曲線だったり、人によって様々ではありますが、初期段階ではコルチゾールを多く出しています。
検査のグラフを見て、平均的な範囲より自分の値が上にある時間帯が多いなと思ったら、副腎疲労の始まりかもしれません。
この時点でストレスを取り除き、体を休め、必要な栄養素をしっかり取れば悪化せずにまた元気になれます。
だから、ちょっとしんどい、朝だるいという感じがあれば、決してそのサインを見逃さず、ここでしっかり副腎をいたわってあげましょう。