レベル別クラッシュの症状

副腎クラッシュは何らかのストレスによって引き起こされるものです。

何が現在のクラッシュの引き金になっているのかを知り、それが再び起きないようにするため、毎日の生活の中で注意する必要があります。

副腎クラッシュを引き起こす可能性があるストレスには、次のようなものがあります。

脱水症状、歯の治療、日に当たりすぎ、睡眠不足、性交、炭酸飲料、コーヒー、薬、甲状腺薬、風邪などの感染症、ステロイドの使用、麻酔、ACTH刺激試験(副腎皮質刺激ホルモンをわざと注射し、注射前後の血液中のコルチゾールの量の変化を確かめる検査)、強いサプリメント、有害金属、過度の運動、遠距離の旅行、サウナやスチームルームなどで熱にあたる、浣腸、ホメオパシー、強いマッサージや鍼治療などの過度な解毒など。

精神面でのストレスとしては、不安や心配、人間関係、愛する人の死、またアクション映画やホラー映画などの刺激の強い映像、ジェットコースターに乗るなどの刺激的なエンターテイメントも挙げられます。

stress

副腎疲労が進行すればするほど、ちょっとした事、弱いストレスでもクラッシュが起きるようになります。

副腎疲労が進んだ体は、予備の力がすでにほとんどなくなっているからです。

副腎クラッシュの症状は以下のようなものです。

  • 疲労感、脱力感が大きくなる
  • エネルギーが大幅になくなる
  • 筋肉が落ちる
  • めまい
  • ブレインフォグが非常に増える
  • 頻繁に低血糖になり、ふらつくような状態
  • 気分が不安定で、うつ、不安、いらいら、怒りなど
  • 免疫が低下し、多くの感染症、帯状疱疹が起き、回復にも時間がかかる
  • ステロイドホルモン前駆体DHEAの低下、テストステロンの低下、またはエストロゲンとプロゲステロンのバランス悪化
  • 火照り、むくみ
  • 不眠、夜中に目が覚める
  • 甘い物、砂糖が欲しくなる
  • 性欲減退
  • 消化不良、便秘、下痢など腸の不調
  • 体が異化状態になる
  • 線維筋痛症
  • 甲状腺機能低下症
  • 乾燥肌
  • 体重の増加
  • 冷や汗、動悸
  • 関節痛
  • にきびや脱毛

もちろん、これらの症状がすべて現れるわけではありません。

起きる症状は少なくても、その程度がかなり酷く、深刻な状態になる場合もあります。

levels

クラッシュのレベルは、5段階に分けられます。

レベル1と2は、軽度で回復の可能性が高く、レベル3、4、5は、重大なクラッシュと見なされます。

 

レベル1 

疲れを感じ、イライラしやすくなっている状態。いつもよりすぐにお腹がすく感じがあります。

普通に仕事や家事はできますが、一日の終わりには疲労を感じます。昼寝をするのが効果的で、休息後には体力の回復が感じられます。

エネルギー、低血糖など代謝の不均衡、過敏性などの感情的な機能の観点から、副腎機能がクラッシュする前のベースラインレベルの10〜19%減退します。

レベル2  

ぐったり疲れが感じられ、横になって休みたいという感じです。30分ほど昼寝などをして休めば、回復します。

感情が不安定になり、すぐイライラします。

仕事や家事など通常の活動は能率低下するものの、ひとまず最後までやり遂げることはできます。体が緊張している感じで、疲れやすくなります。

クラッシュ前のベースラインレベルの20〜29%減退。

レベル3

エネルギーレベルは一日を通して低く、昼寝や休憩をとっても、体は疲れたままです。

家事や仕事をこなすのがつらくなり、能率が半分程度に落ちてしまいます。

出かけるのもおっくうになり、一日中家にいることが多くなります。

気が短くなり、すぐイライラして怒ることが多くなります。

エネルギーを補充するため、甘い物が食べたくなります。

睡眠がさらに悪化し、冷や汗、動悸、めまいが起きます。

クラッシュ前のベースライン機能レベルの30〜39%減退。

レベル4 

一日を通してかなり強い疲労感があります。仕事や家事をすることがほとんどできません。会社に行くこともできなくなります。

体は脱水症状になっています。

感情的にも落ち込んで、腹を立てる気力もなくなっています。

エネルギーを補充する食品やサプリメントに体の機能が追いつかず、事態を悪化させる可能性があります。

テレビの音にも敏感になり、うるさく感じます。

一旦、ベッドで横になると、起き上がることが困難になってしまい、食事以外ではほとんど布団の中で過ごすようになります。

クラッシュ前のベースラインレベルの40〜49%が減退。

レベル5  

ほとんど寝たきりで、トイレや歯磨きなど、必要最低限のためだけに起きます。

歩行やシャワーを浴びたり、着替えをする時に助けを必要になることもあります。

クラッシュ前のベースライン機能レベルの50%を超える減退。

 

副腎疲労の人は、レベルの違いはありますが誰もがクラッシュを経験しています。

クラッシュのあと、回復期間があり、またクラッシュして回復期間、そしてまたクラッシュ、と何度も繰り返し経験することになります。

重要なのは、回復期をどのように過ごすかです。

クラッシュ段階と回復段階の体の管理は異なります。

クラッシュ時に必要な栄養素と、回復期に必要な栄養素は違います。

サプリの量もクラッシュ時と回復段階では異なります。

それを知らずに、間違った時期に間違った栄養素を間違った量飲んでしまうと、副腎疲労を悪化させ、回復を遅らせるだけです。

専門医の指導を受けずに、自己判断で治療しようとしている人がよくやってしまう間違いは、栄養を多く取ったほうが良いだろうという誤った考えの下で、過剰にサプリメントを飲んでしまうことです。

特に、副腎疲労重症ですでに体力が弱っている人にとっては、危険な事なのです。

クラッシュと回復のサイクル、それらの特徴を理解し、どんな管理が必要なのかを知ることは、その後のクラッシュを引き起こすリスクを最小限に抑え、回復を順調に進める手助けになります。