副腎疲労は病気じゃないって?なぜ!

副腎疲労が病気とされないのは、副腎そのものに病変があったり、病理的な問題があるわけではないからです。

そして、副腎疲労によって起きる症状は非常に複雑で、現時点では医療的な診断を下す基準に達していないからだと、ドクターは言います。

現れる症状を見ても、すべてが病気と呼べる状況ではないものがあります。例えば「疲れ」。「疲れ」を感じますが、それが慢性的に起きているとは言えない場合があります。

夜中に何度か目が覚める、眠りが浅い、という問題も、いわゆる「不眠症」とは違うものです。

現時点の医学では、副腎疲労は連続性がなく、病気と診断することができないということです。

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副腎の機能が低下する病気で「アジソン病」という病気があります。この病気は、副腎そのものに機能的な損傷が生じ、自らホルモンを産生する能力がほぼなくなっている状態で、回復できる可能性がほぼ見込めません。

「アジソン病」だと診断されて始めて、現代医学の治療を受けることになります。

ステロイドホルモンが処方され、一生飲み続けることになります。保険も適用されます。ホルモン剤を飲み続けなければ、生死にも関わってきます。

「アジソン病」になるのは、10万人に4人と非常に稀な病気ですが、アメリカの元大統領、ジョン・F・ケネディはこの病気を持っていました。

J.F.Kennedy

副腎疲労は、副腎機能が低下するということでは「アジソン病」に似ているのですが、「アジソン病」と比較すると症状の規模が小さく、副腎そのものの損傷などはありません。

副腎機能が弱くなって、起き上がることができないほどの疲労感を訴えても、「アジソン病」と診断されない限り、現代医療での治療は何もされません。

病院に行っても病気と見なされず、何の治療も受けられず、保険の効かない高額な診療を長ければ数年に渡って受け続けなければなりません。しかも大問題なのは、起き上がれないほどの疲労を初めとして、様々な症状で仕事もやめなければならないような事態で、どうやって前向きにこの副腎疲労から抜け出すために治療を受け続けることができるでしょうか?

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副腎疲労は、副腎だけではなく、他の臓器や体内システムにも影響を及ぼします。

副腎の疲労で機能が低下したという単純な問題ではなく、もっと大きな広い範囲に及ぶ問題なのです。

多くのシステムとそれらが複雑に絡み合った状態で、症状は非常に広範囲にわたっていて、重なり合って起きたりするため、一つの病名や診断を下すのが困難なのです。

副腎疲労になってしまった人は非常に多くの症状を訴えます。5つ以上の症状が現れたら、”症候群”と呼ばれます。

現代医学のような区画化された縦割りのアプローチでは解決できない、通常の医学的理論では対処できないのです。

副腎疲労の治療にあたるには、縦割り医療ではなく、全体的な視点が必要です。

人体はとてもスマートです。高度で知的な体全体の問題には、区画化されたアプローチでは解決できません。

指の骨が折れたとか、盲腸を切るとか、そんなシンプルな問題ではないのです。全身にわたる問題なのです。

通常の医師は、自分の専門分野を、区画化レンズを通してその部分にズームして病気を見ます。

それでは、副腎疲労を理解することはできません。医大での教育、病院での実習や訓練で学ぶ、体を区画整理して、一つずつの区画しか見ないようなやり方では、副腎疲労の問題を理解できないし、解決もできません。

副腎システムは、体全体がうまく機能するように、様々なホルモンを調節する重要な役割を担っています。しかし、強いストレスを受け続けた影響は、副腎システムだけではなく、はるかに広範囲に及びます。

ストレスの影響は、体の隅々まで広がって蔓延し、いつまでも残るのです。

ストレスに対応するシステムは、副腎の他にも6つの回路があります。

神経感情回路、ホルモン回路、バイオエネルギー回路、解毒回路、炎症回路そして心臓系回路。

これらの回路は、ストレスを感じたときに、一緒に働くオーケストラのように、一斉に活性化するようにできているのです。

ストレスの度合い、強さ、体の反応に応じて、体の中の回路は一丸となって働き、自己調節し、ストレスに対処しようとします。

副腎の働きだけに目がいきがちですが、そうではなく、深く研究すればするほど、これが体内のシステム全体の問題だということがわかります。それほど複雑なのです。

今までに感じたことがないような疲れ、自分の体が普通じゃないと感じたら、まず病院に行く、これは正解です。

レントゲン、超音波、CT、MRI、尿検査、血液検査など、病院の医師が受けろ、と言った検査をすべて受け、まずは何か明らかな病気ではない、ということを確認します。

検査結果がすべて"正常"だとわかったところから、始まるのです。

ここからが、自分の体に本当に何が起きているのかを見つける時です。

通常の医師が「何も異常はありません」と、問題を見つけることができなかった時に、従来の医療の枠の外を見てください。

自分で見て、何が起こっているかを調べ、自分で解決法を探り、専門の医師を探し出す必要があります。