副腎疲労症候群の重症という状態は、何もかもが壊滅的なダメージを受けると言っても過言ではありません。そしてそれは自分だけにおさまらず、家族、特に配偶者にとっても大変な事態です。
この病気は、単に副腎の機能が落ちてしまったという一言では済ませられません。あまりにも多くのシステムが関連していて、素人が理解するのは至難の業です。
僕も嫌というほど副腎疲労について学んでいますが、あまりにも深く、広く、複雑で、人生をささげるほど研究しなければ到底理解できそうもありません。
患者として一番気になるのは、元の体に戻るのに一体どれだけの時間がかかるのかという点ですが、答えは簡単には見つかりません。
現代の医学では病気と認められていないこの病気を、治してくれる専門医も専門病院も極端に少ないのに、専門医なしで自己治療をするのはほぼ無理だという事です。なんて皮肉なことなのでしょう。わからないことだらけのこの病気を、わかりやすい言葉で説明してくれ、患者のその時の状態に応じて的確に指導してくれる医師が極めて少ないのです。
きょうは、副腎疲労によって機能低下してしまう3つのシステムについて話したいと思います。3点盛りです。その3点とは、循環器系、自律神経系、そして当然のことながら副腎です。
ドクターによると、ストレスに対処できる能力が低下していく過程は、人によって数年、中には数十年かけて起こることもあると言います。それによって、副腎や甲状腺だけでなく、複数の臓器やシステムが影響を受けます。
初期に現れる症状は軽いもので、動悸がしたり、軽いめまい、息切れ、血圧が上がる、暑さでばててしまうなどです。こんな感じで始まるのですが、この時点で誰が「副腎疲労になり始めた」などと思うでしょうか?そんな人はいないでしょう。
その後、症状がだんだん複雑で重くなってきます。アドレナリンが噴き出す、起立性低血圧、不眠などが度々起こるようになり、そしてパニック障害へと進んでいきます。
副腎疲労のレベルに応じて、軽い不調や不快感から、完全に疲弊し、無気力・脱力状態になるまで、次から次へと様々な症状に見舞われれます。そして最終的にはベッドやソファでほぼ寝たきりのような毎日になってしまうこともあります。僕もそうでした。
人体がどのようにストレスに対処するかというプロセスは、普通の医学で認識されているものよりはるかに複雑なのだと僕のドクターは言います。
体内ではすべてがつながっているのです。それぞれのパーツやシステムが完全に調和して機能しています。だからどこかに不調が現れた場合、その症状やその部位だけを見るのではなく、体全体を一つのものとして扱う必要があるのです。
人間は、継続して強いストレスを受け続けると、先ほど述べた3点盛り(循環器系、自律神経系、副腎)が影響を受け、そこで体が発するサインに気づかずに体を休めず、さらにストレス状態が続くと最悪の状態に引き落とされるのです。
体はちゃんとサインを出しているのですが、こんなこと時々あるなーとか、なんか調子悪いけど年のせいだな…などと考え、大したことはないとやり過ごしてしまうのです。そして体は悲鳴を上げ、どんどん不調が増えていくのに、変だな変だなと思いながらも止まることをせず、無理を続けてしまいます。
ちょっと気になって医者に診てもらっても、何の問題も見つからないので、そのうち良くなるだろうと思ってまた仕事に戻ってしまう。それが大きな間違いで、後で大きなつけが回ってきます。あの時ちゃんと休んでおけばよかったのに、と思ってももう遅いのです。
このような症状があれば、絶対に無理をせず休みましょう。
- 耳鳴り
- めまい、特に立っている時に起きる
- 動悸、心臓がドキドキする(ストレスを感じた時)
- 不整脈
- 階段を登ると息切れする
- 高血圧
- しょっぱいものが欲しくなる
- 低血圧
- 運動不耐性
- 脱水しやすい
- 頻尿
- 暑さに弱い
- アドレナリンラッシュ
- 手足がチクチクする感覚
- 不安発作
- パニック発作
- 夜中に目が覚め、心臓がドキドキしたり、心拍数が速くなったりする
- 安静時心拍数が速い
- 起立性低血圧
- チカチカと光が点滅するように見える
- まぶたのけいれん
- 手が汗ばんでいる
- 下痢
僕自身、実にこの中で14項目当てはまります。完全におかしかったわけです。もしこのブログを読んでくださっている方で、副腎疲労の重症の方がいらしたら、恐らくこのような症状に苦しんだことだろうと思います。そのつらさ、良く分かります。
全員がこのような症状を同時に持つわけではありません。その強さも人によって様々です。体質によっても現れ方は異なります。
だから、普通の病院で診てもらっても、何が問題なのか、どこが悪いのか、見つけることができず、ただただ「ストレスでしょう。リラックスするように」などと拍子抜けのことを言われて返されてしまうのです。
このように、循環器系、自律神経系、副腎の3点盛りで機能低下や問題が起きている体は、非常に弱く、もろく、過敏で、ちょっとした刺激で大ダメージを受けてしまう可能性があります。仕事が変わったとか、生活習慣の変化、食べ物、サプリメント、薬などが引き金となって、さらなる機能低下を起こしてしまう危険性があるのです。
「正しい事を、正しいタイミングで」やることがとても大事です。ちょっと疲れたから休んだら回復する、という段階はとうに過ぎてしまっています。寝たきりの一歩手前なのです。
ここまで来てしまうと、自分で調べながら治療をすることは無理です。適切なサポートを得て、体をしっかり癒し、修復しなければなりません。
しかし、体は驚くべき自己治癒力を持っています。回復への道は長いですが、必ず元の体に戻れます。