副腎疲労というやっかいすぎる病気について学び続けています。やっかいだけど、実に興味深いのも確かです。
副腎という小さな臓器に課された役割の大きさに脱帽するばかりだし、副腎がコントロールする様々なホルモンの脅威的な働きに驚かされます。
そして今日の話題は、ずっと疑問に思っていたことにようやく合点がいったと言っても良いくらい、自分に起きた様々な体の不具合や変な感じと結びつきました。
何年もの長い間、体に起こる奇妙な症状、変な感じと付き合ってきました。ブログでも何度か書きましたが、自分の体の中で起きている妙な振動やゾワゾワするような変な感覚。「体内で音叉がブルブル震えている」「黒板をキキ―ッと引っ掻いた時に感じるあのいやーな感じ」などと言い表してきました。
副腎疲労の重度、僕の場合ステージ3フェーズCとドクターに言われていますが、このレベルになると、内部恒常性が壊れてしまっていて、普通の体であれば自分で保てるはずの体内の安定が維持できなくなるわけです。
電気回路が繋がっていない、神経伝達物質が互いに通信していないような感じでバラバラ、何か不具合が起きても自力で調節できず、おかしなままになってしまうのです。
前回のドクターのカウンセリングで、このことについて詳しく説明してくれました。 それでようやく、この変な感じは何なのかがわかったわけです。
すべて理にかなっていました。
ドクターは、細胞外マトリックスの話をしてくれました。
細胞外マトリックス?
生き物の体は細胞でできています。人間はおよそ60兆個の細胞でできています。
細胞はそのまま全身にパンパンに詰まっているわけではなく、体の部分ごとにひとかたまりになって、それぞれの部分に適した形でまとまって存在しています。
そのかたまりを構成するために入れ物のような役割をしているのが細胞外マトリックスです。細胞の外側で取り囲むようにあって、一つ一つの細胞を支え、それぞれを結び付けています。
細胞たちの巣、あるいはベッドなどと表現したりします。ドクターは、細胞と細胞をつなぐ高速道路のようなもの、と言いあわらしていました。
皮膚の下、臓器の間、動脈、筋肉そして他の至る所まで、体中を走ってます。
細胞外マトリックスを通って流れている物質が、間質液と呼ばれている液体です。
細胞外マトリックスとこの液体は、お互いにコミュニケーションをしながら、臓器を保護しています。
この液体こそ、内部恒常性を維持するために重要なものなのです。
ドクターによると、この液体はかつて「goo:グー」と呼ばれていたそうです。 なぜグーと呼んでいたのかはさっぱりわかりませんし、gooという語には特に意味もありませんが、しかし科学が進歩するにつれて、それはそれ以上のものであることがわかったのです。
グーなどという間抜けな呼び方では失礼です。この液体は細胞間で情報を伝達し、保存し、処理し、すべてを結びつけています。すべての機能とプロセスをサポートしているのです。
では、細胞外マトリックスと副腎疲労がどう関連しているのか。これが今日の僕の主題です。
人がストレスを感じると、体はより多くのコルチゾールを生産します。慢性的なストレスを受け続けると、コルチゾールは容赦なく放出し続けます。
その影響で間質液が減少してしまいます。通常はゆっくり起こります。しかし長時間続いているうちに、毒素や有害な物質が液体の中で増加し始めてしまい、スムーズに流れなくなり、滞ってしまうのです。
このように細胞外マトリックスが滑らかに作用せず滞ってしまうと、副腎疲労の重症の人にとっては、恒常性やその性能に問題を引き起こすのです。僕の体内でまさにそれが起きていました。
ニューロン・神経伝達物質がつながっていないような感じ、伝達する最後のところで擦り切れてしまうような感じです。
体は、外から見ている限り、普通に動いていても、内部の感覚が普通じゃない、スムーズに自然に動いていないと感じるのです。その変な感じが、体内音叉が震える、あるいは黒板を引っ掻いてゾワゾワするように感じていたのです。
どうすればこの変な感じを改善できるのか?
ドクターは、一つの方法は呼吸法、または瞑想することだと言いました。 ゆっくり深く呼吸したり、瞑想することによって、コルチゾールの放出を遅くし、同時に間質液を増加させます。
サプリメントもあるそうですが、体の状態が良くない時に飲めば、逆効果でクラッシュを招く恐れもあるので、あえて言わないようにします。
サプリは体力が回復して、内臓機能が改善して準備ができた段階で取れば、ゆっくり確実に、体の恒常性を取り戻すことができると言います。
僕は、ドクターの指示で、あるサプリメントを追加しました。それを飲みはじめてからエネルギーレベルが急上昇しました。午後に昼寝をする必要も感じなくなりました。
細胞外マトリックスの状態もゆっくりと改善しています。まだ始まったばかりで、ちゃんと機能するには、さらに6ヶ月程度必要だと言われました。多分、これまでの経験から、もっと長くかかるだろうと思います。
「健全な細胞外マトリックス環境がなければ、ほとんどの臓器はちゃんと機能しないのだ」ということをドクターは強調しました。
健全な細胞外マトリックスがあってこそ、細胞分裂、細胞間シグナル伝達、解毒、再構築が可能になり、臓器が正常に機能します。
細胞外マトリックス、つまり細胞のベッドをしっかり整えてからでないと、体は基本的な恒常性を維持できません。
正常な状態を保つということが、いかに精度の高い要求なのか、ということを、副腎疲労になってはじめて深く考えさせられました。