副腎疲労回復の3ステップ(上) ①準備期間

回復までにどのくらいかかるのか?この疑問は、僕も含めて誰もが知りたいことですよね。

これまでの2年半の治療の道のりは、思いがけない事の連続で起伏にとんだものでしたが、2019年1月現在、体調は日々良くなってきています。昨日の方が良かったかな…と思う事はありますが、少なくとも後退はしていません。

ドクターの話では、副腎疲労からの回復のスピードは、一人一人まったく違います。軽い副腎疲労であれば数週間、中程度であれば数カ月、重症の場合(僕のように)はその何倍もの時間が必要になります。

calendar

ドクターは、同じ質問を嫌というほど受けるそうです。

その質問とは、副腎疲労を患った人からの「また元の元気な自分に戻れますか?」というものです。その答えは「YES」です。ただし「正しく治療すれば」という条件付きなのです。

副腎疲労になってしまうまでに、何年も何年も自分の体をいじめてしまったのです。時には10年以上かけて体をいじめ抜いた結果、副腎疲労に陥ったということもあります。だからこそ、体をいたわってあげる必要があるのです。

「なんでこんなに時間がかかるんだ!もっと早く回復しないのか」と思う人にとっては、この道のりはがっかりすることばかりです。

でも、こう考えてみたらどうかな。何年もかけてダメージを与え続けて、とうとう壊れてしまったものを、数カ月で治すことができたとしたら、あー、結構早く治ったな~と感じますよね。

時間は大きな癒しとなります。時間と共に、回復のための食事、栄養、そして体をいじめ抜いていた無理なライフスタイルそのものを変えて、体を元に戻していきます。

人の体は、車のように、自分の意のままにエンジンをかけたり切ったりできないのです。人間の体はもっと高度に体系化していて、論理的にアプローチしないとダメなのです。

human body
僕が今のドクターを選んだ理由の一つは、彼自身が重度の副腎疲労になり、僕が経験してきたことをドクター自身がすべて経験済みで、しかも自分自身の体で回復のためのトライ&エラーを繰り返し、そして現在は完全に回復しているからです。

副腎疲労というものは、MRIで何かが見えるわけではないし、まして通常の医学的検査ではなんの異常もなく、手術で悪いものを切って取り出せるようなものでもない。

なった人にしかわからない、とにかく説明しようのない体の不調が次から次へと折り重なるように起きるのです。

だから、そんな状況を経験したことのない人にとっては、患者が訴える症状を本当の意味で理解することはできないのではないか、と思うんです。

僕が最初に診察を受けたハワイの医師が、まさにそういうことだったんです。”副腎疲労の専門医“だという彼女は、学んだ知識に基づいて通り一遍の治療法を、僕にも副腎疲労初期の人にも同じようにやっていたわけです。

それがうまくいって回復する人もいるでしょう。でも逆に悪化する人もいるということを、彼女は知っていたのでしょうか?

副腎疲労の回復のプロセスはどんなものなのか。ドクターは「小さいサイクルで起き、そのサイクルは3つの期間に分かれる」という説明をしてくれました。

ただ、その説明を聞いても、僕にとってはあまりにもしんどい日々が長く続き、全然良くなってない、時には悪化するという繰り返しだったので、自分がそのサイクルの中のどの期間にいるのかなんて、全然わかりませんでした。

「それも至極当たり前のことで、同じように感じている重症の人を何人も知っている」とドクターは言います。

その回復のサイクルの3つの期間というのは、準備期間、ハネムーン、そしてプラトー期です。

recovery process

準備期間

準備期間は、体の内部がリセットしている時。もう予備のエネルギーが残っていない状態なので、エネルギーを作って貯蔵する必要があります。

この準備期間にしばしば起こることは、摂取した栄養素や食べ物に、体が逆の反応を起こしてしまうことです。

僕もそうでした。新しいサプリメントを取り始めた時や、量を増やした時に、予期せぬ反応を起こし、その都度僕はドクターに伝えました。そこでサプリメントを止める、あるいは量を減らすよう言われます。何度も何度もこれを繰り返しました。すると、僕の体はまた逆戻りしてしまい、全然改善していないじゃないか、と思うのです。

あの逆戻りして体調が悪化した時の悔しい思いが何度も蘇ってきて、僕はそれで夜中に目を覚めしてしまうことが何度もありました。

ドクターは、それさえも一般的なことだと言います。ま、僕が何を言っても、どんな大変な思いをしても、ドクターは「はいはい、そういうものなんだよ」と言っているような感じです。

このように、逆の反応を繰り返すことを、体がリセットして準備を整えているのだとドクターは考えているようです。

重要なことは、この準備期間を経ずに先に進んでしまうと、体にはまだ十分な予備エネルギーがないため、治療は失敗するということです。

十分なウォームアップをせずに、いきなり全力疾走でスプリントさせるようなものです。そしてこの準備に要する期間は、人によってたった1日でよかったり、6週間続いたりと、まったくバラバラなのです。

honeymoon

準備期間にしっかりウオームアップできた体は、ハネムーンへと旅立つことができるのです。

この続きは明日!