副腎疲労に対するホルモン療法は良いのか?!

副腎ホルモンは生きていく上で不可欠なものです。僕のドクターも、もちろんそう言います。

でも、適切な量であることが重要です。多すぎても少なすぎても危険な場合があるのです。

重要なホルモンがそのバランスを失うと、人は疲労を訴えます。ホルモンのバランスを適切に保つには、どうすればよいのでしょうか?

僕の症状は副腎疲労によるものだと、最初に診断したハワイの医師は、検査の結果、いくつかのホルモンが標準より低めだったので、早速、ホルモン剤を飲むよう指導しました。

しかし、後で今のドクターにすべて止められてしまいます。あの時、飲むようにいわれたホルモン系のサプリメントは、テストステロン、甲状腺ホルモン、そしてDHEA。

これらのホルモン補充剤は、患者の体調を注意深く診ずに、医師が処方することがとても多い、とも言っていました。

hormone therapy

僕自身、副腎疲労やホルモンの働きについて学んでいくについて、ホルモン補充による様々なリスクについても知るようになりました。

体内で作り出せなくなったホルモンを、外から与えることは、いわば脳をだましていることです。「ホルモンが十分あるから、作らなくても大丈夫」と思わせてしまう、ということは、自分でホルモンを作り出そうとする力をもう出さなくなってしまうことにもなります。

かつて、副腎疲労の治療では、副腎ホルモンを補充する方法をとっていたそうです。適切な投与量や、その毒性から引き起こされる合併症について、ほとんど知らずに処方していたというのです。

患者が疲労を訴えている原因は、とにかく副腎ホルモンが不足しているからだということで、通常の量より何倍も多くの副腎ホルモンを患者に与えていました。

多くの医者が治療にコルチゾールのホルモン剤を使い、その結果、多くの患者が毒性作用に苦しんだそうです。コルチゾールの長期間そして過度の使用は、多くの副作用をもたらします。

最近知ったことでは、コルチゾールはスポーツ界では、禁止薬剤とされているのだそうです。テストステロンがドーピング禁止物質であることは良く知られていますが、コルチゾールもそうだったんですね。

doping

ドクターは、副腎ホルモンに加えて、甲状腺ホルモンも多く使われてしまっていると言います。疲労を引き起こす原因の一つが甲状腺機能の低下だと判断してのことです。

実際、副腎疲労の人は、甲状腺機能の低下も起こす場合があり、そんな患者の多くに出されるのが、原発性甲状腺機能低下症の薬と同じ薬なのです。それで、苦しんでいる人が多いのだそうです。

僕が最初にハワイで副腎疲労症候群だと診断された時、様々なホルモンレベルの検査をしました。2種類の甲状腺ホルモンについても検査し、T4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)のレベルはいずれも範囲内だったのですが、甲状腺を刺激し甲状腺ホルモン(T4、T3)の分泌を促す働きをする、ホルモンTSHのレベルが少し高めでした。(通常範囲は0.27~4.20に対し、僕の数値は4.32)脳の下垂体から分泌されるホルモンです。

ハワイの医者は、すぐにいくつかの甲状腺複合サプリメントを取るように言いました。

そして、その3カ月ほど後に今のドクターの治療を受け始め、最初に、僕が甲状腺の複合サプリを取っていることを知ると、即座に止めるよう言いました。

「副腎の状態や甲状腺の機能に注意を払わずに、ストレスで疲弊している体に甲状腺薬を投与することは、火に油を注ぐことと同じだ」と言ったのです。

副腎機能が弱ってしまっている場合、甲状腺補充薬を飲んでも、その薬の役目はまったく果たせないのです。副腎に必要なのは休息であり、余分な仕事ではありません。

テストステロン、DHEAも止められ、僕はドクターAの治療を受け始めてから、まったくホルモン剤を使っていません。

それで聞いてみたのです。ドクターは「ホルモン補充は最後の選択肢なのだ」と言いました。

副腎疲労に対するホルモン補充療法には、専門医による慎重な適用が必要であると言いました。正しい条件下で適切な用量を使用すると、ホルモン補充は疲労を改善するのに非常に有益なのです。

ホルモン補充療法は、僕にとってはまだ選択肢ではないようです。今のところ、まだ「最後の選択肢」を使わなくても、自力でホルモンを産生できるように体を回復させる方法を最優先でやっています。

でもドクターが、ホルモン補充が必要だ、と言った時には、僕はその言葉と判断を信じてそうしますが、最後の選択肢を使わなければならない時が来るまで、今のやり方でこつこつと回復を目指していきます。