EBVと副腎疲労の関係

唐突ですが、エプスタイン・バーウイルス(EBV)というウイルスについて、きょうは話してみたいと思います。

EBVはヒトヘルペスウイルスの一種で、特段恐ろしいウイルスと言う訳ではなく、一般的に広がっているありふれたウイルスで、多くの人が幼少期や若年期に感染します。感染すると一生体内で潜伏しますが、通常は休眠状態で健康に大きな悪影響を及ぼすことはないのですが、何らかの原因で活性化すると、病気を引き起こしてしまいます。

症状は、風疹に似た風邪のような軽い症状なのですが、一部の人はリンパ節が腫れたり、発熱、その他の病気につながることがあります。また、EBVはホジキンリンパ腫やナスファーマ型T細胞リンパ腫、上咽頭がんなどのがんの原因ともされています。

 

さて、ここからが副腎疲労ブログにEBVが登場する理由です。

近年、このウイルスと副腎疲労症候群との関連が研究されているのです。

一つの仮説は、EBVが副腎疲労の発症や増悪に関与しているのではないか、というものです。すでに説明したようにEBVは、体内のBリンパ球に生涯潜伏し、再活性化するまでは休眠状態にあるので、健康な人にとっては問題ないのですが、慢性的なストレスや長期にわたる病気を抱えているなど、 ストレスや免疫不全の状態が続くとEBVは再活性化し増殖、免疫系が活発化します。

 

この慢性的な免疫活性化は、副腎が産生するコルチゾールやその他のストレスホルモンを増加させるなど、様々な生理的反応を引き起します。持続的なストレス反応は、HPA(視床下部-下垂体-副腎)軸の調節不全を引き起こし、副腎疲労症状の発症につながる可能性があるということです。

さらにEBVは、自己免疫性甲状腺炎や関節リウマチなどの自己免疫疾患の発症にも関与しており、これらの疾患は副腎疲労と同時に発症することが多いのです。EBV感染によって免疫系が制御不能になり、自己抗体が産生され、自己免疫疾患が発症するという仮説もあります。

 

これまでの副腎疲労の治療の中で、ドクターがこの話題を持ち出したことが何度かありました。「アメリカでは大半の人がこのEBVに感染しているが、ほとんどの人は何の問題もない。しかし、慢性的なストレスを抱えていると、このウイルスが活性化し、体に大混乱を引き起こす可能性がある。」と言っていました。

ドクターは、副腎疲労症候群の治療とEBVの治療を同時に行っているのだそうです。なぜなら、治療法はとても良く似ているからです。

 

副腎疲労やEBVに効果のあるサプリメントには、以下のようなものがあります。

ビタミンD、ビタミンC、ビタミンB群、プロバイオティクス、オメガ3、亜鉛。

副腎をサポートするアシュワガンダのようなアダプトジェンハーブ、抗炎症作用のあるボスウェリアやウコン、解毒を助けるレッドクローバーや甘草根、抗酸化作用と抗ウイルス作用のあるエルダーベリー。

 

 

副腎疲労を抱えている方で、EBVについても関心のある方は、主治医や専門家に相談し、治療プロセスの一環としてこれらのサプリメントの摂取について確認してみて下さい。