誕生日に、3年前の誕生日をしみじみ思い出す

きょうは、ドリーの誕生日のディナーに出かけた話をします。副腎疲労になってから、僕は何かを予定したり、スケジュールを事前に決めることをしなくなっていました。と言うか、出来なくなったんです。

その日その日の体調によって、できる事を決めていくようにせざるを得ませんでした。

友達と約束していても、当日になって、あー、ダメだ、という事がしょっちゅうでした。

schedule

大事な仕事については、やむを得ずスケジュールを入れましたが、それも実は当日まで本当にできるか、不安な気持ちでいっぱいでした。

だからプライベートについては、まったく予定することをやめました。

誕生日や何かの記念日でも、前もってディナーに行こうと決めたり、ましてレストランの予約などは絶対にしませんでした。

去年のクリスマスに、知人のレストランでディナーの予約を入れたのが、本当に久しぶりのことでした。

今年のドリーの誕生日についても、当日、夕方まで調子が良ければ出かけよう、ということにしていました。

朝から体調がよく、日課のエクササイズをこなし、昼寝の後、ウオーキングから戻ったところで、まだ体調が良かったので「よし、じゃあ出かけよう」ということになりました。

birthday
二人ともエスニック料理が好きなので、車で45分ほどのところにあるお気に入りのアジアンレストランに行くことにしました。

「行きは私が運転するけど、飲んでもいい?」と聞かれたので「OK。帰りは僕が運転できるよ」と言うと、ドリーは嬉しそうでした。

さて、僕にとっては1時間弱のドライブでも、それはちょっとした冒険なので、準備はぬかりなくしなければなりません。

いつも夕飯は5時~5時半にはとるのですが、外食の場合は遅くなってしまいます。そのため、脱水状態にならないためのペットボトルの水、低血糖にならないためのスナックとしてナッツを一袋持って行きます。

そして忘れてはならないのが消化酵素。食事をするときは必ず一緒に飲む消化酵素です。

water bottle

いつもは9時にはベッドに入るのですが、ちょっと遠くへ食事に出かけると、そのスケジュールも少し狂ってしまいます。

いつもより1~2時間は長く起きていることになります。自分のエネルギーが持つかどうかも気にしていないといけません。

誕生日のディナーにも、気楽に出かけられないようでは、やはりまだ道のりは遠いと感じざるを得ません。

6時頃レストランに到着し、楽しく食事をして、写真を撮り、どちらからともなく3年前のことを話し始めました。

3年前のドリーの誕生日にも、同じレストランにいました。その時の僕は、まだ副腎疲労とわからず、ただただ体の不調に悩まされ、原因もまったくわからないまま、どんどん悪化し、最悪の状態になっていました。

一方、ドリーは彼女自身が乳がんになったことを、悲しんだり、悩んだりしている様子を見せず、できるだけ僕に心配かけないように、一人でたくましく対処しようとしていた時だったのです。

3年前のその夜、ドリーは自分の手術を控え、そのことについて話を始めました。必要な手続きや書類、入院のことなどはまったく心配しなくて大丈夫、と。

だけど、もしも万一の場合…、と言った瞬間に、僕は自分の体から血液が全部抜けてしまったような状態になって、その場で体を支えているのも危なくなってしまい、「ドリー、やめて、ちょっと、もう無理」と、話を遮ってしまったのです。

どんなに頑張っても、あの時の僕に、その万一の場合の話を受け止めることは不可能でした。

夫婦として当然話しておくべき事だったのに、僕が対処できるストレスレベルは、とうの昔に超えていたんです。

僕は震えだし、どうしようもなく動揺して、普通に話すことすらできなくなっていました。人として壊れてしまったんです。

3年後に同じ場所でバースデーディナーを取りながら、僕とドリーはしみじみと話しました。

photo

ドリーは、彼女のスマホに3年前にとった写真も入っているはず、と言って、その時の2ショットの写真を見たのですが、僕は本当に土のような色で、カメラに向かって何とかいい顔をしようとしているんだけど、目が完全に死んでて、どこも見ていないような、心ここにあらずという顔でした。

今年の写真と見比べながら、一緒に笑いました。

そしてちょっと泣けました。

無事に家までドライブして帰りました。

来年は素敵なレストランを予約できるかな…。