これ絶対大事!副腎疲労のレベルを知る(下)

副腎疲労の第1ステージ、第2ステージの段階では、本人が体調のあきらかな異変に気づくことはほとんどありません。

そのために多くの人が、そのまま頑張ってしまい、さらに上のレベルに進んでしまうのです。

ステージ1程度は、普通の生活でもよくあるようなことで、例えばちょっとストレスを感じるイベント、例えば、学生なら試験とか、社会人なら人前でプレゼンするとか、クレームが来てお詫びに行かなければならないとか、ちょっと嫌だなーと思うような事に対して、体内で起きているストレス反応のレベルです。

だから、そのストレスから解放され、体を休ませリラックスし、気持ちも切り替えれば、本人が気づかないまま、副腎もまた正常な状態に戻っているわけです。

しかし、ずーっとストレスを受け続け、それもかなり強いストレスで毎日毎日そのことで悩み苦しんだり、腹を立てたりするような状態が続いた場合、ステージはどんどん上がっていきます。きょうはステージ3と4について話します。

ステージ3:副腎枯渇期

この段階になると、体の異常に気付かない人はいないと思います。様々な部分、臓器、骨、関節など、体のあちこちに不調が現れてきます。

これは、目を覚ますためにけたたましく鳴っている目覚まし時計なのです。体が発しているアラームです。ここで絶対に行動を起こすべきです。

wake up call

ステージ3は、絶え間なく襲い続けるストレスに対し、ますますコルチゾールが必要とされているのに、副腎はもはやその需要に生産が追いつかず、疲れ果ててしまい、コルチゾールの産生量はどんどん減り始めます。

この段階に入ると、体はもう生存することを優先して、他のことに使うエネルギーをセーブしようとします。

そのため、体のあらゆる部分は省エネモードに入ります。またエネルギーを補給するために筋肉を分解し始めます。これが異化です。

この異化が起きると力が出なくなり、重い物を持ち上げたり、力を必要とする作業がつらくなったり、運動もできなくなり、いつも疲れ切って脱力しているような状態になります。線維筋痛症が現れることもあります。

代謝が悪くなるため有毒物が蓄積し始め、ブレインフォグの状態になるのもこの時期です。眠れなくなり、鬱っぽい状態になってしまいます。

 

悪化していくと、動くことすらしんどくなり、ベッドやソファに横たわったまま一日中過ごすような状態になり、トイレに行く時と、何か食べる時だけ動くという感じです。

こうなると、当然仕事などできません。毎日電車に乗って会社に行き、8時間働けるはずがありません。

lying down

ステージ4:副腎不全

さらに進んでステージ4まで来ると、あまりにも重い症状が出るので、家で寝ていられるような状態ではなくなります。最悪の場合、副腎は完全に機能しなくなってしまい、心臓循環器系の機能も弱まり、命の危険さえあります。

症状としては、突然現れる腰やお腹の激痛、嘔吐、下痢、脱水、低血圧などで、意識を失ってしまうこともあります。

burn out

ステージ1~2とステージ3~4ではあまりにも大きな違いがあります。体の状態、機能している器官など、その段階に合わせた治療でなければ、効果がありません。ステージ2の人にはとても良い方法でも、ステージ3の人には逆効果や有害になってしまうこともあります。

だから、「副腎疲労には〇〇が良い」などと、ひとくくりにして何かを断言することはとても危険なのです。そういう情報がとても多いです。

自分が副腎疲労のどのレベルにいるのか、しっかり把握することはとても重要です。