「歩く」という非常に日常的なこと、今まで意識したり、注意を払ったりしてこなかったことが、これほど難しいことになろうとは、思ってもいませんでした。自分の足、そして歩みそのものが、とても弱くなってしまいました。
2015年に京都を訪れた時に感じた足の違和感がはじまりでした。あれ?なんか普通に歩けない、という変な感覚でした。
あの時から、足がどんどん力を失っていき、自分の力で足を踏み出していない、足の向きや歩幅、動き、勢いなどがまったくコントロールできていないような感じになっていきました。それもどんどん加速していき、このままだと車いすが必要になるんじゃないか、という気持ちにもなっていました。
ドクターAは僕に、毎日ウオーキングをするように言いました。歩数、頻度、時間など細かく指示されました。
1000歩くらいまでは大丈夫なのですが、さらに歩き続けていると、どんどん足が思うように動かなくなり、体を支えられなくなり、そのまま崩れ落ちるんじゃないか、という感じになるのです。
うまい例えじゃないかもしれませんが、僕の2本の足が木の枝だと想像してみて下さい。歩いている時に感じるのは、2本ともすでに枯れ果てて、中は水分も養分も何もなくスカスカ。もろくなっていて、ちょっとした力が加わるとポキンと折れてしまいそうな感じなのです。自分の足がまさにそんな感じになってしまって、グラグラしていつでもポキッと折れて、体がその場で崩れ落ちそうなくらい、弱く、ガタついているように感じていました。
そんな足で、毎日ウオーキングするのは恐怖でもありました。「こんなフラフラの足で、まるで100歳のおじいさんのような感じで、本当に大丈夫なのか」ドクターにそう訴えました。副腎疲労が重症になると、そう感じることは珍しくはないのだ、と話してくれました。
筋力を失う、ということももちろんありますが、肝臓とも関係があるかもしれないのです。肝臓の働きが悪くなっているために、代謝、解毒がうまくできず、いわば詰まってしまった状態になってしまいます。そうなると、疲労物質が溜まってしまい、強い倦怠感や足のだるさにつながるというのです。
副腎疲労の治療を始めた直後、ドクターの指示で、肝臓の機能を高めるサプリメントを飲んでいましたが、その直後にものすごい下痢になり、5週間も続くという大惨事がありました。そこですぐにそのサプリメントをストップせざるを得なくなり、そこで僕の肝臓はそのままになってしまっていました。
最近、自分の足が自分の意思で動いている感じが戻ってきています。それでも、以前のように脚力が戻ってきているとは、まだまだ言えません。
再び、昔のように、何も意識せず、ごく普通に、行きたい方に行きたい速さで歩ける日が来ることを願いながら、きょうもウオーキングをします。2年前は1000歩でガクガクしていましたが、今は一万歩がノルマです。