片道1時間の「大冒険」

今年度4月から、まだパートタイム状態ではありますが、できる仕事を少しずつ始めています。

先日は、クライアントとのミーティングがあり、横浜まで足を延ばしました。横浜まで行くのに〝足を延ばし″という表現も大げさだと思われるでしょうが、副腎疲労持ちにとっては、できることと行動範囲が非常に限られているので、片道1時間弱の電車の旅も、ちょっとした遠出のような準備が必要になります。

もちろん、元気な頃は一日に2~3か所のクライアントを回って、打合せやプレゼンしたりすることは何でもない事でしたが、体調が悪くなってから、僕自身がクライアントに会うことは極端に減って、会社のスタッフやドリーに任せっきりになっていました。

「『社長さん、お元気なんですか?』って、聞かれましたよ…」などとスタッフからの報告を受けると、ちょっと寂しく悔しい気持ちになりましたが、僕の体調悪化の件は実は社員にも話していませんでしたので、のらりくらりとかわしながら、この3年あまりを治療に費やしてきました。

今回、自らクライアントの元を訪れたのは、本当に久しぶりのことでしたし、今の体では1か所行くだけで、ちょっとした冒険のような気持ちになります。

出かける前に忘れてはならないのは、軽食を用意していくことです。

いつも食べているものと同じ軽食(鳥ムネ肉を一切れ、さつまいも1切れ、リンゴ四分の一をそれぞれラップにくるみ、ナッツ類と一緒に保冷バッグに入れて持って行きます。

「幼稚園児の遠足みたいだね」とドリーが笑いながら準備していました。

打合せの最中にエネルギーが切れて、血糖値が下がるような事態にならないように、打合せの前にスナックを取る計画にし、いつもよりちょっと早めのランチを食べます。

とにかくこんな感じで、ほんのちょっとした予定をこなすために、計画と準備が大げさなほど必要になります。

yokohama
横浜に向かう電車に乗ったのも何年ぶりかで、懐かしさもあり、ワクワクするような気持ちで窓の景色を眺めていました。

梅雨の晴れ間で、日差しもあり気温も上がって来たので、水はもちろん持っていましたが、念のためOS1をドラッグストアで購入し、チビチビと飲みながらクライアント企業まで歩きました。

打合せの前にどこかで軽食を取ろうと少しうろうろし、ちょっとした広場にあるベンチに座って、持参した軽食を食べ、少し落ち着いた所で打合せに向かいました。

ミーティングそのものはよく知っている企業ということもあり、説明すべき事柄はドリーがほとんど話し、順調に終えました。

横浜駅に向かう途中で、ふと、以前行った事のあるハンバーガーレストランのことを思い出し、ちょっと行ってみたくなりました。

ハワイが本拠地で、日本にもいくつか店があります。

店に入ると、ハワイアンミュージックと、香ばしいバーガーの香りに包まれ、何とも言えない幸せな気分。

テラス席に座れば、横浜の海を眺めながら食べることもできますが、太陽と暑さにはまだまだ注意が必要なので、エアコンの効いた店内に座って、ハワイ気分を楽しみました。

drink

この日歩数計を確認すると、朝のウオーキングと合わせて、結局一万二千歩以上歩いてしまっていました。

帰り道、歩きながらどんどん歩数が増えるのを見ながら、疲れすぎたらどうしよう、などと考えていたのですが、帰宅後も特に異常な疲労に襲われるわけでもなく、いつもの夕食後のまったり感と同じ感じで、一安心でした。

ちょっと冒険をして、それが良い感じで完遂できた時は、副腎疲労からの回復を実感できる瞬間で、本当に嬉しいものです。

この日実感できたのは、

・全身の強さ(特に体幹、脚力)が戻って来た

・体の動きを自分でコントロールできている感じで、ギクシャクした感じがなくなってきた

・視界が広がった

・スタミナ、持続力が増し、疲労感を感じにくくなった

・気持ちが明るく積極的になり、もっとどんどんやりたい気分に

ちょっとした遠出は、とても良いテストになります。

日ごろは決まったルートを歩くこと、同じ日課の繰り返しで、体の回復を大きく実感できるチャンスはそうありません。

でもいつも行かない場所に出かけたり、いつもと違うことをすると、それに自分の体がどう反応するか、最後まで適応できるかが良く分かります。

唯一、この日の冒険がネガティブに出た部分は、夜の睡眠でした。

日中、活動的に過ごし過ぎると、睡眠が浅くなってしまいます。

興奮が残っているのか、ぐっすり深く眠ることができませんでした。

でも、全体的に評価すると、大きな前進です。

時々、このようなテストの日を、自分に課してみようと思いました。