畳で寝てみたら驚いた!

台風19号が関東地方を直撃した夜、ものすごい雨と風で窓ガラスがミシミシ、ドンドンと音を立てて、割れてしまうのではないかと本気で心配になりました。

僕は通常夜の9時にはベッドに入りますが、ちょうどその頃台風がピークになる時間帯でした。

寝室はバルコニーに面していて、僕とドリーのベッドを2台置いているのですが、僕のベッドは窓側であまりの暴風雨でとても眠れそうもないなと思っていました。

おまけに寝室のエアコンからポコポコポコポコと変な音が鳴りっぱなしで、(台風などで雨風が強まるといつもこの変な音が出て困っています)これでは絶対に眠れないな・・・副腎疲労にとって睡眠が非常に大事なのに・・・と思っていたら、ドリーが「今夜は和室で寝たら?布団を敷いてあげるから」と言ってくれました。

和室はマンションの外廊下側にあって、窓も腰高窓で雨風が直接窓に打ち付けることがないため、部屋はずっと静かで、おまけに日当たりが良くないためバルコニーに面した部屋と比べるとひんやりとして涼しく感じます。

tatami room

畳に布団を敷いて寝るのにはあまり慣れていないのですが、それでもあの騒音の中より良いだろうと思い、その日の夜は和室で寝ることにしました。

布団に寝転がるとやはりベッドと違って、ちょっと硬いなと思ったのですが、あっという間に眠りについて、不思議な事に外はビュービューと風が吹き荒れる中、僕は一度も目を覚ますことなく一晩中ぐっすり眠ることができたのです。

よく眠れただけではなく、もう一つ気づいたことは、布団に横たわってから翌朝目が覚めるまで気道が開いてとても楽だったのです。

いつもより呼吸がとてもしやすく、息が深く体全体に行き渡るような感じがしました。

肺が大きく開いて、肋骨、背骨まで広がったような感じです。

翌朝、そのことをドリーに話すと、彼女が僕のベッドに寝転がってこう言いました。「こんなベッドじゃ眠れない。なんか気持ち悪い。」背中と腰が沈み込んでしまい、気持ちが悪いと言うのです。

僕はこのベッドを独身時代からずっと使っていて、マットレスがへたってしまい中心部分がへこんでしまっていました。

一度裏返して、今使っているのが裏面なのですが、それもへたってしまってくぼんでいたのです。

僕もそれを感じていなかったわけではありませんが、毎日毎日この窪みで寝ていたので、もうこんなもんだと慣れてしまっていたのです。

とにかく布団で寝た時に、呼吸がとても改善して眠りの質がとても良かったことに、自分で驚いてしまいました。

ドリーに早速マットレスを買い替えたほうが良いと言われ、僕もそう思ったのですが、その前にもう一晩布団を試してみたいと言いました。

台風が過ぎた日の夜も僕は和室に布団を敷いて寝てみました。なんとその夜は10時間も眠ってしまい、朝起きた時に背中がちょっと痛くて、肋骨のあたりがちょっと凝っているような固い感じがありました。

この痛みは、多分背骨や背中がまっすぐの体勢に合わせているために起きた痛みなのだろうと考えました。

でもあまりにもぐっすり眠れるので、もう一晩布団で寝ることにしました。

その夜も9時間ぐっすりと眠り、背中の痛みは感じず、起きた時に肋骨が少し凝ったような感じがありました。

そしてもう一晩、8時間半ぐっすりと眠り、体の痛みはまったく感じませんでした。呼吸がとても良く、一晩中たっぷり息を吸って深い眠りにつけました。

4日連続で布団で寝てみて、今までこれほどぐっすり眠った事も、朝起きた時の気持ち良さも何年も感じられなかった事でした。

日に日に体調が良くなり、自分でも驚くほどでした。ドリーは、これからしばらくここをあなたのベッドルームにしよう、と言い、僕も同意しました。

それから毎日僕は布団の上げ下げを繰り返しています。

futon

思い出した事があります。ドクターの治療を受け始めたころに言われた事です。

副腎疲労の回復のために、いつも良い姿勢を意識するようにと言われました。理由を聞くと、体のすべての領域隅々にまで酸素を行き渡らせる必要があるからだと言いました。

立っている時も、座っている時も、寝ている時も姿勢が悪いと、酸素がシステムにうまく行き渡らず、酸素が不可欠な臓器が酸欠状態になり回復を妨げてしまうという事です。

背骨がまっすぐになるように常に意識するように、と言われていました。

当時、僕はそのアドバイスをあまり真剣に捉えていませんでした。気づいたらちょっと姿勢を正すようにはしていましたが、四六時中背中をまっすぐになんて無理だ、と思っていました。

でも今、あの言葉の意味が分かったような気がしました。何年も経ってから気づいたのです。あの真中がへこんだマットレスで毎晩寝て、背中や腰、肩がいつも丸まっていて、呼吸がうまくできていなくて酸素が行き渡っていなかったんだと。

ドリーは、僕のマットレスにほんの2~3分寝てすぐに「気持ちが悪い」と言ったのです。僕は一体何をやっていたのかと、ちょっと呆れてしまいました。

一晩、畳の上に敷いた布団で寝ただけで、驚くほど呼吸が改善し、体調が良くなったのです。

人の体とは本当に面白いです。

今日も布団で寝ます。