副腎疲労回復の2つの道

自分は回復に向かっているのだろうか?

一体、いつになったら良くなるのだろうか?

たとえほんの少しでも良いから、自分は確実に良くなっていると感じられるのはいつなのか?

ずっーっとこんな疑問を持ち続けてきました。

みなさんも同じ気持ちでしょう。

questions

副腎疲労症候群だということがわかった当時、しっかり休んでドクターの指示通りにサプリを飲んで、良いものを食べていれば、数カ月もすればきっと良くなれるだろうと思っていました。

「大変な数カ月だったなあ…」などと、今頃しみじみと振り返っているはずだったのです。

完全に間違っていました。

ドクターによると、本当に回復に向かい始めた時には、自分で気づくことができるはずだと言います。

回復には2つのルートがあり、そのルートに乗って進み出した時点で、「あー回復してきたな」と思えるのだそうです。

しかし、その2つのルートの入り口が見えてくるまでの道のりは、半端なく大変です。

同じ道を行ったり来たり、横道にそれてしまったり、行き止まりにぶつかったり、落とし穴に落ちたり、そんなことをもがき苦しみながら繰り返した後に、やっと入り口が見えてきます。

副腎疲労の初期の段階、あるいは若くて体力があり、遺伝的にも強いDNAを持っていれば、回復は速いことは確かです。

ひょっとしたらサプリメントなどとる必要もなく、ただ体を休め、栄養のあるものを食べ、よく眠れば、また元の元気な副腎に戻れる可能性も多いにあります。

しかし、副腎疲労症候群が進んでしまった場合、そうは行きません。ほとんどの場合は、何年もかかってしまいます。

副腎疲労が始まった頃にまったく気づかず無理を続けてしまい、かなり重症になってしまうと、体のあちこちが崩壊したような状態になってしまいます。

ここまでくると、ただただ底辺でじっと最低限の機能だけで耐え忍ぶ期間が3カ月程度は続くのだそうです。

この時間は、体をリセットするのに必要な時間なのです。この3ヵ月間は、言うまでもなく体は衰弱しきっていて、疲労感や脱力感の中で、不安と恐怖でみじめに過ごすしかありません。

その最悪の3カ月を過ごした後、少しずつ回復に向かっていくのかと思いきや、そうではありません。

僕はそこから2年半かかりました。2年半経った頃に、ようやく自分のやっていることに意味を感じられるようになったのです。

それまでは、正直、一歩も前進していないと感じていました。ただ地べたを這いずりながら、生きているだけでした。意味がまったく感じられない日々でした。

もう良くならないんじゃないかとあきらめて、ドクターの治療も意味があるのかと思った事も何度もありました。

あまりに長く、意味のない日々を過ごし、体は弱くなる一方で、心臓も肺もちゃんと動かなくなって不安と恐怖ばかりで、もうこれ以上無理だ、と思った事もありました。

精神的にギリギリの状態になったことも何度もあります。

でもいつも最後には、このドクターを信じようと思ったのです。

ドクター自身が、今の自分とまったく同じ思いをしながら何年も這いずり回り、今は完全に回復して、こうして同じ病気になった人を助けているのだから。

それからある日、ドクターの指示で新しいサプリメントを始めて、ゆっくり少しずつ量を増やしていきました。 その頃から、本当に初めてエネルギーが自分の体のシステムに戻ってくるのを感じ始めることができました。

2年半以上、ゼロエネルギーの日々を過ごした後に、本当にエネルギーが戻って来た瞬間でした。

疲労感が抜けていくような感じでした。それほど大きな前進ではありませんでしたが、光がうっすら射した感じでした。

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それからさらに3~4カ月経った今年の2月に、待ち望んでいた「回復」の実感、回復のルートの入り口のドアをついに開けたと感じられました。

「じゃ、この辺でやめておきますか」と2度ほどドクターに言われ、僕は「冗談はやめてください」と、こんな会話もありました。

ある時には「もう、外に出て走り回ってはいけませんよ」などと言われ、つまりそれは「もう外に出て走り回って大丈夫ですよ」の裏返しなのです。

つまりドクターがちょっとした皮肉で僕のことをからかえるほど、回復してきたという証拠なのです。

ついに、深くて暗い底なし沼から這出て、一日一日良い方向に向き始めたのです。

もちろん100%良くなったわけではなく、20%~50%の間をうろうろしながら一歩ずつ回復してきました。 現時点では60%~70%の間です。 そして、はしごを一段ずつ上り続けています。

回復ルートには2つあるという話をしましたが、それがどんなものなのか知りたいですよね。特に、専門のドクターの治療を受けていない人や、自己判断でいろいろ試しながらやっている人にとっては、果たして自分が正しい回復の軌道に乗っているのかどうか、気になるはずです。

ドクターが話した2つの回復ルートとはこんなものです。

一つ目のルートは古典的な回復の仕方をするルートで、エネルギーが戻ってくる、睡眠が良くなる、血糖値が安定してくる、ストレスへの対処ができるようになる、ちょっとした事にドキッとすることが少なくなる、寒さを感じることが減ってくる、と言った状態です。大多数の人がこのルートをとるという事です。

もう一つのルートは、それを聞いた僕自身が何だそれ?と思ったのですが、こんな感じです。夜見る夢がとても鮮明、体が軽くなる、軽い作業や活動をするのが楽になる、動作がスムーズにできる、地に足がついている感じ、気持ちが落ち着いている、そんな感じになるそうです。 女性であれば、止まっていた月経がまた始まるというわかりやすい回復が見られると言います。また、サプリメントを飲むと最初はとても良い効果が現れ、その後、反作用のように逆の反応が現れるという事です。

もちろん一人一人違うので、この2つのルートが混在している人もいて、それもよくあることだそうです。

僕自身は、一つ目の古典的な回復ルートをとりました。しかし最近になって、どうも二つ目のルートに入り込んだような気もしています。この二つのルートにどんな違いがあるのか、何か意味があるのか良く分かりません。

どちらのルートを取る方が良いとか悪いとかではなく、ドクターの長年の研究でそのような回復のパターンを見つけた、という事なのでしょう。

一番言いたかったことは、回復傾向に入ったときにどんなことが起きるかを知っているのは大きな助けになる、という事です。

なぜなら、あまりにも長い間、不調が続き、最悪の状態で奈落の底で過ごしていると、絶望的になってしまうし、一体自分はこの先どうなってしまうのか、良い方向に向いているのか、何もわからなくなってしまうからです。

今、僕自身が確実に回復ルートに乗っていることが自覚できること、少なくともある方向性が見えていることがなによりも重要なのです。

これがあなたにも役立つことを願っています。