副腎疲労の予兆に気付け!

今思えば…なんですけど、副腎疲労の初期の警告サインは確かにありました。あの頃、僕はとにかく仕事をしすぎていて、自分の体が悲鳴をあげていることにまったく注意を払っていませんでした。

「ちょっと減速したほうがいいよ、もっと生活のバランスをとって」という体からのメッセージを、僕は聞こうとせず、まだまだいける、と思っていたのです。

欧米人の考え方なんですが、50歳までがむしゃらに仕事して、人より早くリタイアするという目標があります。僕もそう思っていました。まさに、今こそ稼ぎ時だ!とばかりに、僕はどんな依頼も絶対にNOと言わずに、何が来ようが、どんな難しいことを頼まれようが、日程がどんなに詰まっていようが、とにかくYESと言い続けました。やればできる、とはこの事で、本当にできてしまったんです。

ビジネス的には大成功でした。しかし健康面では、大失敗の結果になってしまいました。僕は自分の人生で、病気になったことなど一度もなかったし、体力にも自信があったので、多少無理をしても克服できるはず、と思っていました。でもそうは行かなかったんです。

初期のサインと言える症状はこんな感じでした。

朝、なかなか起き上がれない

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朝、起き上がるのに時間がかかるようになりました。僕は朝目が覚めたら、30秒以内には布団をバーンとめくり上げてベッドから立ち上がって、さっさと動きだすのが普通でした。ドリーはいつも言っていました。なんでそんなにいきなり起き上がれるの?と。ドリーは低血圧気味で、目がさめてから30分位はベッドの中でぐずぐずしながら、体を少しずつ動かしてようやく起き上がる、起き上がってもリビングのソファーでボケーっとしているのが普通なので、僕がガバッと起き上がるのをいつも驚いていました。その僕が、ある時からパッと起き上がれなくなって、目が覚めると、初めに感じるのが「あー疲れてる」で、30~40分くらい、時には1時間くらいグダグダしないと起き上がれなくなってしまいました。そのころから、目を覚ますために、朝、必ずコーヒーか、紅茶か、緑茶を飲むようになりました。

眠れない

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ベッドに入ったら、1分後には寝てしまうほど寝つきが良く、また一度寝てしまったら、泥棒が入ってきても気づかないほど眠りが深い僕でした。一度、ドリーの帰りが遅い時に、僕は先に寝たんですが、間違ってドアのチェーンを掛けてしまった事があって、ドリーは何度も何度も呼び鈴を鳴らしたり、電話をかけたり、ドアをドンドンやっても僕は全く起きず、30分以上経ってようやく電話の音に気付いてドアを開けたことがありました。そんな僕が、夜ベッドの中で起きている時間の方が多くなっていました。なぜ眠れなくなったのか、まったく理解不能でした。とにかく目が覚めてしまい、何を考えているのかわかりませんが脳が休まない、かと言って何をするわけでもなく、ただ天井と時計を見ているだけ、という夜が多くなりました。

パニック障害

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最初のパニック障害は、このブログにも書きましたが、実家に帰っている時に妹が起こした“バッグ放り上げ事件”がきっかけで起きました。あれには自分でも驚きました。日々ストレスがあることはわかっていましたが、そんなにひどいとは思っていませんでした。最初の発作の後、半年以上、パニック障害は起きませんでしたが、あれが引き金となって、僕はとても不安になったことは確かだし、その不安とともに、あんなに自信があった健康について、自信がなくなっていくのがわかりました。そしてまもなく経験することになる次の大きなパニック障害、そして癖になってしまったかのように繰り返すようになっていきます。

おならが臭すぎる

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ひどいです。本当にムッとするくらい臭くて、音も強烈なおならが一日に何度も何度も出ていました。ドリー、本当にすまん。おなら選手権があったら、音でも匂いでも誰にも負けない自信があります。冗談じゃなく。ドリーは、僕のおしりは、年をとってしまりがなくなったおしりだと言って、笑い転げていました。殆どの男は、自分のおならの匂いはきらいじゃないと言いますが、僕は自分の匂いに嫌気がさすほど、それくらいひどい匂いでした。

足がきしむ

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階段を上る時や何時間も立ち仕事をした後、足がきしむような、擦れ合ってスムーズに動かない感じがしました。足がスッスッと前に出ないんです。自転車をこぐ時、チェーンが錆ついていたり、きちんとかみ合ってなくてずれたりしていると、ガクガクなりますね。そんな感じです。足の内部で、何かが擦れ合って、きしむ感じがするようになりました。説明が難しいですが、こんな感じ伝わりますでしょうか。僕は大丈夫か?と自分に確かめながらも、そのままやり過ごしてしまいました。そして後に、足が本当におかしくなってしまいます。

変なエネルギー

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これも説明が上手くできない状況なんですが、妙にエネルギーが溢れる感じがありました。20代の若者よりずっと活力があって、頭もビュンビュン回転している感じです。研修中に、受講者の様子を見ると、50代の僕より一回りも二回りも若いのに、まったくエネルギーがなく、そんな小さな声しか出ないのか、殆ど動かないし、一体どうした?僕の動きを見ろ、と何度も思ったものです。

朝、出勤してきた女性スタッフを見たら、なんで朝一からそんなに疲れているの?僕はもうバリバリ元気なのに、と。

はい、これこそ、副腎が疲弊する前の『最後の抵抗』なのです。副腎が最後の最後にストレスと闘おうとして、異常にコルチゾールを放出し、エネルギッシュになってしまい、交感神経が優位になり、自分はものすごく元気だと錯覚するんですね。

これらが、警告サインだったわけですが、僕はまったく気に留めず、なにもせずますます仕事に打ち込んでいました。

もし皆さんも、今までの自分と明らかに違う、このような変化が現れたら、過信せず一度立ち止まって自分の仕事やストレスレベルを冷静に見てみて下さい。

今となってはもう遅いのですが、あの時、誰かが「ちょっと待った」を掛けていてくれたら、と思ったりしますが、僕はもちろん、ドリーも、周りの人も誰も、これが副腎疲労だという事、ストレスが原因で起きるということなど、まったく知らなかったのです。