落ち込んで悲しくなる副腎疲労

副腎疲労症候群を語る時、このことを置いては行くことはできません。

それは「落ち込んでうつ状態」になることと「もうやりきれなくて悲観的」になることです。

ブログを読んで下さっている皆さんが、実際の僕を知ってくれているわけではないので、まず言っておかなければならないことがあります。

「僕は元来、淋しくなったり、悲しくなったり、落ち込んだり、ふさぎ込んだりしたことがなく、そういうタイプとは正反対の人間です。」

しかし、そんな自分が副腎疲労症候群の深いどん底に落ちてしまって以来、完全に屈してしまいました。打ち負かされてしまったのです。

sadness
かれこれほぼ5年間、僕はずっと病んでいるわけですが、「うつ状態」と「悲観的」な精神状態は、かなり重症になるまではそれほど目立って現れてはいませんでした。ずーっと継続して気分が軽く沈んでいる状態で、それが時々ひどくなることがありました。

「ああ、もう無理だ」

「誰も自分のことを気にかけてくれていない」

「誰にも会いたくないし、話もしたくない」

「自分の人生はもう終わった」

などという気持ちになっていました。

うつ状態や悲観的になっている時には誰もがこんな気持ちになるんだろうなと想像はできました。でも繰り返しますが、僕はとにかく楽観的な人間で、大失敗をしでかしたり、うまく行かないことなど数えきれないほどありましたが、それでも落ち込んだりしたことがなく、「うつ」の概念が理解できなかったのです。

でも副腎疲労などという自分の体がどんどん壊れていくような病気になり、僕は完全にどん底に落ち込んでしまったし、まったく楽観的になれず、どんどん絶望感に襲われていく悲観的な毎日を過ごす中で、「うつ状態」というものが真実のものなのだと確信できました。

そして自分がそういう気持ちになってつくづく思い知らされたことは、その落ち込んだ気持ちを自分ではどうにもコントロールできない、ということです。

はじめて気づいたネガティブな気持ちというのは、「自分はもう何もできない、完全に役立たず、無能だ」という思いが込み上げてきた時でした。できる事と言えば、ソファに座ってテレビを眺めている、食べる、トイレに行く、寝る、それだけでした。

社会にも家庭にも何の貢献もしない、使えない人間だと思ったのです。そんな情けない想いを少なくとも3年は持ち続けていました。

月に一度か2カ月に1度くらい、体調が良くなる日があったのですが、その日だけは少し前向きな気持ちになれました。やっとここから…徐々に良くなっていくのか?と思える日です。でも次の日にはまた体調は元に戻ってしまうのです。「なんでー!!」と叫びたくなるような、そんな日々を過ごしました。

depression

ちょっと早送りして今、2020年2月、体調も気分もずっと良くなり、落ち込んで悲観的になる日は本当に少なくなったのですが、ほんの少し寂しい気持ちになることが時々あります。そんな時に考えることは、こんなことです。

実のところ自分はもう10年もの間、「元気」とか「健康」という感じをすっかり忘れてしまっているということです。

10年前に歯の矯正をし、矯正具を外したあの日から、体の変調が始まったのです。10年もの間、普通の状態から遠ざかってしまっているなんて、信じられません。

自分がどれだけ病んでいるか、皆に知って欲しい、聞いて欲しいと心の底から思う事があります。「ねえ、頼むから聞いて。この10年、僕が経験してきたことを言わせて。」「あなたはもしこんな病気になったらどうする?こんな状態、我慢できる?ねえ、できるの?」そんな言葉が次から次へと頭の中で駆け巡ります。

この病気をどう人に伝えようかと考えたこともあります。体に起こったありとあらゆる不調をリストにして、ひとつずつ伝えようとか考えていて、すると同時に「そんな話、誰も聞かないわ」「誰もそんなことに興味ないし」と思うのです。興味を持ってくれるのは、ドリーと、同じ副腎疲労症候群に苦しんでいる人だけだと思うのです。

自分がその立場にならなければ、こんな訳の分からないしかもネガティブなことだらけの話なんか、聞きたくもないでしょう。自分の母親でさえ、本当に親身になって聞いてくれた事などないのだから。

若かった頃、親せきか知人の誰かが長い間病気にかかっているという話を親がしていたのですが、その時、僕はまったく興味が沸かず、話が入って来なかったし、聞きたいとも詳しく知りたいとも思わなかったのです。

自分は元気で毎日楽しく過ごしているのに、「何年も病気だなんて何なの?なんで治さないの?」という思いでした。実際に目の前で誰かが、「ここが痛い」とか「調子が悪い」などという話を始めると、僕はそんなことは聞きたくない、と思っていた方だったのです。

自分のことしか考えていませんでした。自分がやりたい事、好きな事、楽しいことしか考えたくなかったのです。そうですよね。人の病気の話など聞かされても、気が滅入るし、困るだけですよね。

ま、こんな風にちょっと寂しい気分になるのは、今では本当にたまにです。1か月に1度くらいのことです。ちょっとセンチメンタルになっても、またすぐ前向きな気持ちになれます。

もし、このブログを読んでくれている人の中で、「うつ状態」「悲観的」になることがあっても、そのまま受け止めて、自分がこの病気になってどれだけ大変な日々を過ごしてきたかを思い返してみるのも良いと思います。ネガティブな気持ちを打ち消そうとか、落ち込んではいけないなどと思う必要はありません。こんな気持ちになるのも、副腎疲労症候群の一部です。ドクターからも言われました。鬱っぽい気分になるのも、ホルモン系の機能不全からなのです。

副腎疲労になってから自分が経験してきたこと、そして今の自分の状況を考えてみて下さい。医学界が病気と認識していない、多くの医者も治療法がわからない、そんな変な病気と共に生きているのです。(それはそれでむちゃくちゃなことですが)

でも、この病気にともなう「うつ状態」や「悲観的」な気持ちは、副腎が元気になり、少なくとも重症段階を脱することができれば改善します。ドクターもそう言っていますし、実際に僕自身がその通りになっています。

この病気を本当に理解してくれる人はそう多くはありません。でもあなたは独りぼっちではありません。副腎疲労仲間がいます。悩んでいる事、うまくいかない事、聞いて欲しいことがあればなんでもシェアして下さい。

この病気は治ります。決して諦めないで下さい。