そう言えば、8年ほど前、まだ副腎疲労だと診断される前のこと、短期の休みを利用してアメリカの妹の家に行きました。
その休暇中、呼吸がどうもおかしいことに気づきました。深呼吸をすると、一気に吸えず途切れ途切れになっていたのです。妹からも、なんだかひどい音だと言われました。
今思えば、それこそストレスがすでに制御不能なレベルに達していることを示す確実なサインだったのですが、当時の僕には全く分かりませんでした。
一番低い時には、肺活量というか、呼吸から酸素を体内に取り込む力が弱く、肺がつぶれて心停止するんじゃないかと思うほどでした。そして、その時以来、呼吸はずっと正常ではない状態が続いていたのです。
実はついこの間まで、呼吸に苦しんでいました。
副腎疲労になると息を止めるのが困難になるということは知っているのですが、僕の場合、ほんの1秒も息を止めることができませんでした。7年以上もの長い期間、息を止めるということができなかったのです。
それだけではなく、またある時期からは呼吸のコントロールに悩まされるようになった。運動したわけでもないのに、息が上がってしまうのです。胸の上の方で呼吸をしていて、それがいつまでたっても落ち着かない、息が下がらない状態になり、吐く量より吸い込む酸素の量の方が多いような状態が長く続きました。
そうなると寝つくのが大変なのですが、目を閉じてなんとか寝ようとするのですが、すぐに目が覚め、たいていは深夜12時30分に目が覚め、午前5時30分頃まで起きていることになります。
どう対処したらいいのか知りたくて、いろいろ調べ始めたらとても興味深いことがわかりました。
副腎疲労のような病気が進行している場合、呼吸器系が機能不全に陥っている可能性が高く、疲労が非常に顕著になります。
しかし、呼吸の仕方を工夫することによって、良いエネルギーを作り出し、治癒への道を歩み始めることができるのです。
血液中の二酸化炭素が不足すると、細胞が酸素を取り込む能力が低下することをご存知でしょうか?
血液中の二酸化炭素が少なくなると、細胞内の酸素も少なくなります。そして、私たちの細胞が効率的かつ効果的に体を動かすためには、酸素が必要です。
つまり、二酸化炭素は人間の健康にとって非常に重要なのです。細胞に酸素を放出するのを助けます。毛細血管を拡張し、血液をサラサラにし、血液循環を回復させます。
また、酸素が二酸化炭素より多くなると、余分な酸素がフリーラジカルに変換され、血液中に残ってしまうことがあります。そして、これがどれほどのダメージをもたらすかはご存知の通りです。
では、どうすれば体内の二酸化炭素を増やし、より多くの酸素を細胞に取り込み、体の動きをよくすることができるのでしょうか?
その答えは『息を止める』ことです。呼吸を止めると、血中の二酸化炭素濃度が上がり、酸素が細胞に行き渡るので、エネルギーが増えるだけでなく、気持ちも落ち着くのです。
奇妙な印象を受けるでしょ?
ストレスや緊張が高くなった時には、大きく息を吸って深呼吸をしましょう、というのが通説ですよね。まったく逆なのです。
その方法を紹介します。
座った姿勢で、口ではなく鼻から自然に息を吸って吐く、これを数回やって呼吸を整えます。そして準備ができたら、息を吐き出し、そのまま息を止め苦しくなるまで我慢。そして再び普通に8~12回呼吸します。
もう一度、同じようにやってみましょう。これを何度か繰り返して、どのように感じるか確認してみて下さい。
副腎疲労の人は、5秒から長くても15秒程度しか呼吸を止められないかもしれません。これは、体が弱っている証拠です。健康な人であれば、25秒以上止めていられます。アスリートなら40秒以上。深海に潜る人は、数分間できる人もいます。
僕の場合、数カ月前はまったく止められませんでしたが、今は15秒程度止められるようになりました。
これを毎日やるようになってから、呼吸器系が活性化されたように思います。体幹が鍛えられ、よく眠れるようになりました。
呼吸にはこんなにも力があるのかと驚きました。
副腎疲労重度で弱っている人はなかなか難しいと思いますので、ある程度力がついてきてから、もっと簡単なところから始めてみて下さい。
1~2秒息を止めてみて、徐々に伸ばして5秒までやってみます。そして、どのように感じるかみてみましょう。この呼吸法によってエネルギーが湧いてきますか?気分が良くなりますか?頭の中がすっきりしましたか?ストレス解消になりますか?
試してみて、どうなるかみてみましょう。もし、うまくいかなかったら焦らずもっと強くなるまで待って、また試してみてください。
この呼吸法を試すと、僕のように最初は交感神経が少し刺激されるかもしれませんが、その後は起こりません。これはよくあることだそうです。
目標は25秒です。25秒に達するまでゆっくりと徐々に伸ばしていくようにして下さい。数週間、数ヶ月かかるかもしれませんが、その間に、呼吸がもたらす恩恵に気づき始めると思います。
僕自身もまだ25秒には達していません。15秒のところで留まっていますが、それでもエネルギーが増し、眠りが深くなり、頭が少し冴え、とにかく気分が良くなりました。