機能医学的アプローチでIBSを直す

副腎疲労になってから僕はずっとアメリカのドクターの指導の下、治療を続けていますが、他にもとてもためになる情報を提供してくれる数人の医師をずっとフォローしています。

その中の一人がIBSについて非常に興味深い話をしていましたので紹介したいと思います。

IBSは数日で治ると言うのです。

IBS:過敏性腸症候群は、下痢、便秘、 便秘と下痢をくりかえす、腹痛、おならが異常に出る、ガスが溜まる、お腹が張る、残便感があるなど、お腹の不快な症状です。

主な原因は、次の5つと言われています。

1. ストレス

2. アレルゲン

3. 微生物

4. 毒素

5. 食生活

この医師は、IBSは直すことができると言っていますが、どのように直すのでしょうか?

まず第一に食べ物を見直すことです。食べ物が結腸と腸を刺激している可能性が高いと言います。

多くの人が、特定の食べ物に対して過敏症を持っていますが、明らかなアレルギーが現れなければ、そのことを知らないまま過ごしている場合が多いのです。

お腹の調子が悪い人は、まず自分に食物過敏症があるかを調べる必要があります。検査を受けてみましょう。

多くの人が知らないで持っている一番の食物過敏症はグルテンです。大麦、ライ麦、オーツ麦、スペルト小麦、中でも小麦に含まれるタンパク質に由来します。

グルテンは体に大きな影響を与えます。症状としては、疲労、下痢、ガス、腹部膨満、胃痛、頭痛、皮膚の問題、うつ病、不安などです。

僕のドクターは、副腎疲労の人はとにかく一度グルテンの摂取をやめるように言います。僕自身も毎日の食事から限りなくグルテンを取り除きました。

次に注意するのは、乳製品です。

以前にブログに書いたことがありますが、僕は食物不耐性の検査の結果、乳製品に遅延アレルギーがあることがわかりました。それ以来、乳製品はきっぱりとやめました。

アイスクリームや、シリアルにミルクをかけて食べるのが好きなので少し悲しいですが、そんなことは言っていられません。やめると決めたらやめるのです!

副腎疲労から回復したら、もう一度食べてみようと思います。そして、体がどのように反応するかを確認します。

さて、乳製品には、ラクトース:乳糖と呼ばれる糖が含まれていて、これがガス、お腹の張り、軟便や下痢を引き起こします。医師によると、多くの人がこの乳糖を消化できないのだと言います。

小腸のラクターゼという消化酵素が乳糖を消化・分解するのですが、乳製品に不耐性がある人はそれがうまくできません。

消化できないまま大腸に行き、そこで他のバクテリアや発酵物と混ざり、ガス、腹部膨満、下痢などを引き起こす可能性があります。

自分でできる簡単なチェックは、まず一度乳製品を完全に絶つことです。1か月続けてみます。それでお腹の不調が消えたら、乳製品にアレルギーがあるということになります。そして、また少しずつ乳製品を取り始め、体の調子を記録します。

乳製品を絶った後もやはりお腹の不調が続く場合は、何か他の問題があるかもしれませんので、病院できちんと検査を受けます。

乳製品の他にも、大豆、卵、トウモロコシなど、腸に刺激を与える可能性のある食べ物があります。

何を食べた時にお腹の調子がおかしくなるか気をつけて観察し、記録をつけるようにします。

怪しい食物があれば、それを1か月完全に絶つ実験をしてみます。

そのようにして自分がどんな食べ物に対して過敏な反応を示すのかをしることが重要です。

それよりもっと簡単で正確に結果を知りたいのであれば、お金を払って食物不耐性検査を受ければ良いのです。

dairy products

この医師が強調するのは、腸の「エコシステム」です。

人は皆、腸内に数十億の微生物や菌を持っています。種類も約500種と、非常に様々なのです。

もちろん、良い菌が悪い菌より多く、腸内が良い環境に保たれていれば良いのですが、逆に悪い菌が大量になると、その悪影響は腸だけでなく体全体に及びます。

これらの微生物や菌が時々、間違った場所に入ってしまうことがあります。

大腸にあるべき微生物や菌が、そもそも無菌であるべき小腸に移動してしまうのです。パン、シリアル、パスタ、米などのでんぷん質の食べ物を食べると、そこにいる微生物や菌が食べ物の糖を発酵させ、肥大化してしまいます。これが、SIBO(小腸細菌の異常増殖)です。

また、腸内の異常発酵も起こりやすい現象です。

原因は抗生物質、ステロイド、糖尿病、胃酸を抑える薬、砂糖の取りすぎ、アルコールの飲み過ぎです。これらが原因で、腸で酵母が成長しすぎてしまうのです。

すべては腸内の環境です。十分に善玉菌があればこうした問題を改善できます。腸の中の状態を知るには便の検査を受けることです。

検査で悪玉菌が多い、善玉菌が少ないことがわかれば、足りないものを補う、必要なものを育てる、悪いものをやっつける、これだけです。

プレバイオティクス:生の玉ねぎ、コンニャク、ゴボウ

プロバイオティクス:ビフィズス菌、乳酸菌、キムチ、コンブチャ、味噌、納豆、ザワークラウトなど

消化酵素を補う:食物の消化・分解を助ける

さらに、傷んだ腸を修復するために、ビタミンA、亜鉛、オメガ3脂肪酸(魚の油)、サクラソウ油、グルタミンなどを使います。さらに、ケルセチンやウコンなどのハーブは、腸の炎症を抑え、リーキーガットを癒します。

リーキーガットとは、腸の内壁の細胞がばらばらになるようなもので、その隙間から食物タンパク質やバクテリア、消化できなかった食べ物などが漏れてしまい、それが炎症を起こします。

これはIBSだけでなく、関節痛、疲労、うつ病、湿疹、発疹、認知障害、アレルギー、その他多くのことを引き起こす可能性があります。

この機能性医学の医師は、人の体の中で腸が最も重要だと言います。腸は健康の基盤です。

副腎疲労になってしまうと、絶対と言って良いほど腸に炎症を起こしています。

だから何を食べるか、何を食べないかが非常に重要になるのです。好物だから、とか、美味しいから、などと言う理由でついつい食べてしまう、今日は自分へのご褒美などと言って許してしまう、そんな日々を続けていると、副腎疲労もリーキーガットも治りません。

なにがなんでも治すという強い気持ちで、副腎疲労に立ち向かいましょう。