副腎疲労症候群からの回復は、いや~それはもう想像以上に長く、複雑で、困難な道のりです。
その大変な道のりの中で、絶対に間違ってはいけないステップがあります。3つのステップ、回復のホップ・ステップ・ジャンプです。
この三段跳びを順番通りにしかもゆっくりと確実に突破していかなければ、副腎疲労症候群はなかなか回復してくれません。
ドクターは、これまで2年半以上、この3ステップを詳しく解説はしてくれませんでした。ただ、ドクターの導く通りにやっていれば、もちろんこの三段跳びを踏み間違えることなくやって来れるわけですが、最初にちゃんと説明してくれていたほうが良かった、と思う事もあります。
その理由は、患者の立場から言うと、「今、自分がどのあたりにいるのか」「順調に回復に向かっているのか」がわからなくなって、他のものに手を出したり、他の医師の言っていることのほうが良く思えたりして、迷路に迷い込んでしまうからです。
つい最近、僕が順調に回復してきて、最大の関所を突破したのを確信して、ドクターはようやくこの3ステップをちゃんと説明してくれました。
ステップ1:カタボリック(異化)状態が進まないようにする
カタボリックとは、以前のブログでも書きましたが、自分で自分の体を食べてしまっている状態です。これが起きている限り、疲労感、疲弊感、脱力状態から抜け出すことはできません。
カタボリックを止めるために、食事、ストレスマネージメント、サプリメント、運動の4つの方法をとります。
- 食事
何を食べるか、何を食べないかをかなり厳しく管理しなければなりません。食べたいものを食べる、ということが一切できません。クリーンな食べ物(とドクターは言う)だけを食べます。
つまり、グルテン、トランス脂肪酸、加工食品、消化しにくいものなどを一切取らないようにします。そうすることで、体の負担はぐっと減り、癒すことだけに集中できるのです。グルテンや加工食品などを食べるということは、体にとって不自然なもの、余計なものを消化分解するために余計なエネルギーと機能を使わなければならなくなり、体が休めません。そんなことを毎日の食事で続けていたら、いつまでたっても体は元気になれません。
- ストレスを減らす
ストレスに感じることからとにかく避けます。普通に生活していれば、まったくストレスを感じずに過ごすことなどほぼ無理ですが、できる限り減らします。
僕はドリーのお蔭で、それができています。仕事は3年半もの間、ほとんど休みの状態ですが、会社の運営も、生活の運営も、ドリーのお蔭で僕が何をしなくてもスムーズに運んでくれています。
- サプリメント
サプリメントは、ドクターに言われたものを飲んでいれば良い、という簡単なものではありませんでした。自分の体の弱くなった部分に必要な栄養素を補うサプリメントなのですが、3年以上、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤、右往左往の連続でした。サプリメントの種類、量、タイミング、なに一つとっても非常に繊細です。
サプリメントの影響で、体にさらに負担をかけてしまったり、取るべきではないタイミングで取ってしまったり、量が多すぎたり少なすぎたり、と自分一人では到底正しくできるとは思えません。
ドクターが、サプリメントに関していつも言っていることは、「体が安定する状態を見つけ出すこと」なのですが、それが非常に難しいのです。
微調整の繰り返しで、今の自分の体調に最適なサプリメント摂取を見つけ出し、それを続けて体が安定し、安定状態がある程度続いたことが確信できたら、サプリメントを増やします。体が安定する、ということにこれほど時間がかかるとは、元気だったころには考えもしなかった事です。
副腎疲労の治療をしているのに、まったく良くならないと言って、サプリメントを増やすという話をよく聞きますが、これは絶対ダメなのだとドクターは力説します。体が安定していないのに、サプリを増やすことは絶対にやってはいけないことで、むしろ減らす、または完全にストップする必要があります。
- 運動
ごくごく軽い運動から始めます。100歳のご長寿さんができる運動量より、はるかに軽いもので、もうほとんど笑ってしまうような運動なのですが、副腎疲労重症の人にとってはそれもやっとです。
基本的なストレッチや、ほとんど寝転がって呼吸しているだけのようなスーパーマイルドヨガ、そしてウオーキングを少しやる程度から始めます。どんなに軽いものでも、副腎疲労にとって毎日運動することは、非常に重要なのだとドクターにも言われました。今でも言われています。
しんどいからと言って、ずっと家に居て、ソファやベッドでゴロゴロしているだけでは、改善には向かいません。しかし最も重要な事は、自分の体の状態に合った運動でなければならない、という事です。決して自分をプッシュしてはいけません。ちょっとした無理が、体調を大きく後退させてしまいます。いつも自分の体調と運動のバランスを注意深く計りながらやらなければなりません。
副腎疲労症候群の重症者はだいたいカタボリック状態にあるわけですが、そこから脱して普通の状態になることが、最難関で最も重要なポイントだと言います。
僕は、ちょうどその関門を抜けたか、ほとんど抜けそうになっている所で、体調が大きく改善している最中だと、前回のカウンセリングで言ってくれました。
実はここまでが三段跳びの最初のホップなのです。ここが一番高いハードルです。最初のホップがうまくできたら、ステップ、ジャンプはどんどん楽になるのです。
次のステップは、次回のブログで!