副腎疲労ステージ3になってしまった最大のストレス原因、それは僕のビジネスにとってどうしても必要なことで、そのストレスを取り除くということは、もうこの事業をやめてしまうということになってしまいます。
日々膨らみ続けるストレスと怒り、それを取り除きたくてもできないというジレンマの中でもがき苦しんで、僕は自分の体を病んでしまったのです。
僕の会社の事業の大きな部分を占めるのが、様々な企業で行う社員の語学教育です。
国内の事業だけではもう伸びしろがなく、どんどん海外との取引やM&A、現地生産などを進める企業が多く、社内ではグローバル化という言葉が飛び交っています。社員に対する教育も、外国語、国際ビジネスの知識、異文化理解など、いわゆるグローバル人材を育てることに力を入れています。
外国語教育で一番需要があるのはやはりダントツで英語、2番目は中国語、あとはそれぞれの顧客企業の要望で、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語…という感じです。
そんなわけで、僕の会社は日本人従業員より外国人講師の方がずっと多いのです。
ビジネスが成長していくのは嬉しいものです。新しい契約がとれた時、僕たちの提供したサービスを気に入ってもらえた時、取引が増えていくこと、どれもワクワクすることばかりです。
そんな時に、問題を持ち込んでくるのはいつも外国人講師でした。
すべての外国人講師が問題を起こすわけではなく、外国人の中でもどうしたわけか英語圏出身の講師達なのです。僕自身が英語圏出身なので、どれほど情けなく腹立たしいか!
これまでに200人以上の英語講師が僕の会社で働きましたが、本当に問題を起こしてばかり。
彼らが巻き起こす大混乱は、僕自身が想像すらしていなかったし、ましてや毎日出社して、ごく当たり前に8時間仕事をして、普通に健全に暮らしている日本人スタッフからしてみたら、信じられない事ばかりだと思います。
一体、どういう理由でこんなことをするのか。何が彼らをそうさせるのか?!
ドイツ人やフランス人、中国人、フィリピンやマレーシア出身の英語講師はまったく問題など起こさず、ごく当たり前に仕事をしているのに、なぜアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなど英語圏の講師は問題ばかり起こすのか?!なぜ?
僕自身が生まれ育った英語圏の文化や価値観、倫理観、仕事観などが、残念ながらなにか違っているんじゃないか、と思わざるをえないことだらけなのです。
いま、飲食店のアルバイトが、不適切な動画を投稿して問題になっていますが、言ってみれば、あのような信じられないことが僕の会社ではしょっちゅう起きているような状態です。
しかも10人いたら9人が何らかの問題を起こしているような状態です。皆さん、英語講師は、飲食店のアルバイトの何倍もの時給を稼いでいるんですよ。
僕は、基本的に穏やかで、小さなことにあまりこだわらない大らかな性格だし、人に対しても優しい男です。そんな僕が、しょっちゅう腹を立て、怒り、時には激怒のあまり自分自身がコントロールできなくなってしまうことが増えました。妹にも、僕と話すのが「怖い」と言われたこともあります。
実際に僕が直面した、英語講師達が起こした問題をほんの一部あげてみます。曲りなりにも『先生』と呼ばれる立場の人がやらかしたことです。
・履歴書の年齢を10歳もサバを読んでいた
・履歴書の学歴を詐称していた
・面接を受けに来て、会社名を間違う
・面接をすっぽかす
・何カ月もかけてビザ手配などすべてやり、来日したとたんに辞めると言い出した(日本に来たかっただけ)
・企業での研修で、受講者の女性(複数)をデートに誘いまくり大問題に
・契約途中で正当な理由なく賃上げを要求し、応じなければ授業に行かないと言い出す
・教えたくない生徒やクラスを選り好みし、嫌なクラスを無断欠勤する
・企業研修の研修室に、私物を持ち込み、何度注意されても片づけない
・お金の管理ができない・・・仕事に行く電車代も出せないと前借りを要求する
・出張で宿泊しているホテルに、おしごとの女性を呼んで、ホテルのフロントで止められもめ事になった
・ある会社の授業に酔っぱらった状態で行き、呂律も回らず、受講者からの連絡を受けて教室に見に行った人事部の人に、酔った勢いで自分を雇ってくれと懇願した
・二日酔いで仕事をすっぽかした
・まったく違う内容の授業をやって、生徒に指摘されても、間違いを認めず誤りもしない
・携帯電話も固定電話も持っていなかった講師に、携帯を購入するまでの間、業務連絡のために会社の携帯電話を貸し出したところ、自分の国のイギリスに毎晩のように国際電話をかけていた
・ドタキャン、すっぽかし、遅刻、勝手な早退などなど
・授業中に部屋を出て「気持ちが落ち込んでもう教えられない」と電話をかけてきた
・どうにもできないことで子供のように不満を言う・・・雪の日に出勤すること、電車が混む、エアコンがきかないなど
・出張時、宿泊ホテルの前の道路で酔って寝ていた
・出張時、宿泊ホテルの食堂で他の宿泊客と喧嘩し、箸で襲いかかろうとしてホテルのスタッフに羽交い締めでとめられた
・奥さんと喧嘩してむしゃくしゃするから、仕事を休むという
・国にいるおばあちゃんが倒れてショックだから、授業ができないという
・出張先に彼女を連れていきたいと言う、あるいは彼女がどうしてもついていきたいと言う
・有期契約なのに不当解雇だと訴訟をおこされたが、訴えた本人が裁判に現れなかった
とにかくキリがありません。まだまだありますが、こうして書き出しているだけでもまた怒りが蘇ってくるので、この辺にしておきます。
このブログを読んでくれている人の中にも、英会話スクールに通っている人もいると思います。皆さんを幻滅させるようなことは言いたくないという気持ちもありますが、僕がストレスを受け続けた一番大きな原因が”英語の先生”なのです。
僕は建設的な仕事でいくら忙しくなっても何の苦でもありません。週7日、1日12時間~15時間仕事をしていました。それに加えて、上記のようなあまりにも低レベルなことに対処しなければなりませんでした。
外国人が起こす問題なので、日本人スタッフが対応するのには限界があり、どうしても僕が対峙しなければならないことが多くなりました。
ドリーは外国人講師達に直接対峙する事はなかったのですが、彼らが起こす問題の後始末をしなければならないのは彼女でした。取引先にお詫びに行ったことも何度もありましたし、裁判沙汰や労働基準監督署に呼び出された時にも、いつも彼女が対応しなければなりませんでした。
一生懸命がんばって、ビジネスがうまくいっても、そのために雇った外国人講師が起こす問題によって、僕の会社は潰されてしまうとまで思いました。こんなジレンマに毎日頭を抱えながら僕とドリーは「なんとか仕事場に行ってくれ」「寝坊しないでくれ」「シラフでいてくれ」と祈るような思いで、30代~40代、なかには50代もいましたが、そんな大人達のベビーシッターをしなければなりませんでした。
ストレスはどんどん積み重なって、それがいよいよ沸点に達しようとしていました。小さなことには腹を立てないようにしようと自分に言い聞かせていました。そうしないと自分の精神が持たないと思ったのです。日々、激怒するような問題が次々に起き、きょうは誰が何をやらかすか?と脅迫観念が常にありました。
彼らのアパートに行き、野球のバットでぼこぼこに彼らをなぐっている悪夢をみたこともありました。それほどの憎しみすら感じることもあったのです。もはや病的です。
そして、体に変調を来たしてしまいました。毎日、毎日、僕の体が一つずつ壊れていきました。
僕は、毎日まるで戦場に向かうような気持ちで、つねに戦闘モードにありました。表向きは平気な顔を見せようとしていました。また、怒りをなんとか抑えつけようともしました。
ドクターは僕にそれは間違っていると言いました。 彼は「ストレスを感じたら、そのことから目を背けずに、まっすぐ正面から対処する。 自分を悩ませていることが何か、それをどうすれば取り除くことができるか、軽減することができるか、問題を解決しなければならない。そうしなければ、その問題はいつまでもずーっと付きまとうことになり、それが継続的・慢性的なストレスを引き起こす」と言われました。
僕はその闘いに敗れ、ボロボロになってしまったのです。
そんなことが、皆さんには起きませんように…